静岡県浜松市に本社を置く株式会社ユタカ技研は、地域密着型の活動を重視し、地元浜松で活動する女子バレーボールチーム『ブレス浜松』のオフィシャルパートナーを務めています。
今シーズンから形が変わる女子バレーボールリーグの中、現在Vリーグに所属し来シーズン以降のSVリーグ参入を目指すチームを支えることの意義とは?
今回のインタビューでは、ユタカ技研がブレス浜松を支援する背景や地域との連携によってどのような成果を生み出しているのかについて、人事・総務部長の中村光弘氏(以下、中村)に詳しくお話を伺いました。
インタビュー企業紹介
株式会社ユタカ技研の主な事業内容は“自動車部品の製造”。触媒コンバーターやサイレンサーといった排気系部品、そして駆動系と呼ばれるトルクコンバータやハイブリット車や電動車向けのモーター部品、二輪車のブレーキディスクなど、多岐に渡る自動車部品を製造しているメーカーです。
浜松の本社だけでなく、国内に4拠点、そして8か国に10拠点、グローバルな事業展開を進めています。
2030年ビジョンとして、「独自技術を強化・拡大し、新時代をリードする企業になる」という目標を掲げています。グローバルな視点で地域を超え、グループ全体の力を結集して事業を進め、持続可能な成長を目指しています。
浜松という地を元気に
ーーユタカ技研さんは、2018年からバレーボールチーム・ブレス浜松のメインスポンサーを務めていらっしゃいます。そのきっかけについて教えていただけますか?
中村)ブレス浜松との関わりのきっかけは、当時会社として地域活動をより強化しようとしていたタイミングでチームと出会ったことです。ブレス浜松は地域に密着した市民球団であり、地域貢献活動を活発に行っていることに共感し、我々も地域貢献を進めたいという思いからメインスポンサーとして支援を開始しました。
ーー“地域貢献”が大きな共通のキーワードになったのですね。ブレス浜松を支援することに理由はありますか?
中村)私たちの本社が浜松にあるということだけでなく、ブレス浜松は市民球団として親企業を持たず、地元の皆さんの支えによって成り立っているチームです。また、弊社は多様性、とくに女性活躍についても力を入れており、女子バレーボールチームであるブレス浜松の活躍が女性従業員の活力になってくれればと思っています。ブレス浜松への支援は、地域との繋がりを深め、従業員一丸となって応援することで社内の士気を高めることにも繋がっています。
ーーまさに、地域とスポーツを通じてのつながりを大切にされているんですね。女子バレーボールチームならではの魅力はどのようなところにあるとお考えでしょうか?
中村)日本ではとくに女子バレーボールが強いというイメージが昔からあり、親しみやすさもあります。静岡県には多くのスポーツチームがありますが、浜松にはブレス浜松があり、地元に根付いた存在としての強みがあります。女子バレーの魅力は、観客と選手との距離感が近く、地域との一体感を感じやすいところだと思います。
ブレス浜松との連携で深まる地域貢献の絆
ーーブレス浜松との地域貢献活動の中で、特に印象に残っているエピソードなどがあれば教えてください。
中村)毎年開催している冠試合や、ユタカ技研が行う地域貢献活動へブレス浜松の選手やスタッフが参加してくれることです。冠試合では、地元のファンや社員、その家族が多く集まり、一体感を感じられ非常に感動的な場面が生まれます。とくに、試合中に応援が一つにまとまり、会場全体が熱気に包まれる瞬間は、我々がブレス浜松とともに地域に根差した活動をしていることを強く感じさせてくれます。
また、夏祭りや秋祭りといった地元のイベントでは、ブレス浜松の選手たちが積極的に参加してくれます。彼女たちはただ試合をするだけでなく、地域の人々と直接交流することで、ファンとの距離を縮め、地元住民とともに浜松を盛り上げるための大切な役割を果たしています。例えば、ユタカ技研で行う夏祭りでは、選手たちがブースを一緒に運営したり、バレーボール体験会を行い地元の子どもたちと交流する場面が多々あります。選手たちが地域の人々とともに楽しんでいる姿を見ると、ブレス浜松がただのバレーボールチーム以上の存在であり、浜松の地域社会の一部として強く根付いていることを感じます。
中村)さらに、彼女たちは日常の美化活動やボランティア活動にも積極的に参加し、地域をきれいにする活動を通じて地域への貢献をより深めています。例えば、会社周辺の清掃活動や草むしり、ゴミ拾いなど、選手たちが自らの手で地域の環境を整える姿を見て、他の社員も積極的に参加するようになりました。こうした取り組みは、地域全体のコミュニティ意識を高めるきっかけにもなっています。
ーー地域との繋がりをとても大切にされていることが伝わってきます。ブレス浜松の選手を社員としても登用されていますが、社内にはどのような影響が出ていますか?
中村)選手が加わることで、社員たちに新たな視点をもたらしてくれています。例えば、業務の改善点を新しい視点から見つけてくれたり、チームワークの向上に繋がることが多いです。現在、若泉佳穂選手と神田さくら選手の2名が働いていますが、彼女たちが社内に新しい風を吹き込んでくれていると感じています。
ーー社内でもブレス浜松の存在感が大きくなっているのですね。
ともに次のステージへ
ーー今後、ブレス浜松とどのような形で関わっていきたいとお考えですか?
中村)まずはブレス浜松が目指しているSVリーグ昇格を全力でサポートしていきたいと考えています。スポーツを通じて地域全体が盛り上がり、ひいては地域経済の活性化にも繋がることを期待しています。
ーー最後に、ユタカ技研さんがブレス浜松とともに地元・浜松をどう発展させていきたいとお考えか、お聞かせいただけますか?
中村)浜松は人口80万人を超える大都市ですが、スポーツを通じた地域活性化の可能性はまだまだ大きいと感じています。地域に根差したスポーツチーム、特にブレス浜松のような市民球団が存在することで、地域の人々に新しい活力が生まれ、地域全体の結束力が高まっていることを実感しています。
ブレス浜松が活躍することで、単に試合観戦が楽しめるだけでなく、町全体が一つになり、選手たちの奮闘が地域住民の誇りとなっています。スポーツは、地域社会に活力を与え、交流の場を提供する重要な要素です。ブレス浜松があるからこそ、浜松市民の皆さんがスポーツを通じて一つにまとまり、結果的に地域の経済やコミュニティが活性化しています。
今後も、我々はブレス浜松のSVリーグ昇格を全力でサポートし、彼女たちの成功がさらに地域を盛り上げるきっかけになると信じています。スポーツを通じて地域の絆を深め、浜松がさらに発展していくことを願いながら、引き続きブレス浜松を支援していきたいと思います。
ーーありがとうございました!