海洋プラスチックとは、私たちの普段の生活や経済活動から海に流れ着いたり、直接海や川に捨てられたりして、最終的に海洋を漂うプラスチックごみのことを指します。近年、さまざまな国や企業がこの問題について取り組んでいます。今回は、そんな海洋プラスチック問題について、その原因などについて事例とともに解説していきます。
海洋プラスチック問題とは?
プラスチック製品は丈夫で長持ちするために、一度海に流れついてしまうとほとんど分解されることなく、海洋生物の生態系や私たちの生活にも悪影響を及ぼすとして、さまざまな国や企業がこの問題について取り組んでいます。では、具体的にどのようなことが問題になっているのかみてみましょう。
- 海洋生物(魚類、海洋哺乳類、海鳥など)の生命を脅かす
- 生態系への影響による、生物多様性や環境保全機能の損失
- 漁獲量の低下(漁業への悪影響)
- 海洋プラスチックごみによる景観の悪化(観光業への悪影響)
- プラスチックの成分を取り込んだ魚・貝を摂取することによる、人体への長期的な影響
海洋プラスチック問題が起こる原因
海洋プラスチック問題が発生する原因はさまざまですが、主な原因としてはプラスチック製品生産の増加や、ポイ捨てや不適切な処分方法などが挙げられます。
特に、海洋プラスチックの8割が陸から流出したもので、そのプラごみを出している地域の多くがアジア諸国ですが、日本も一因となっています。
海洋プラスチック汚染というと、よく想像されるのが海岸での「ポイ捨て」ですが、海に直接ごみが投げ込まれるというよりは、どこかに捨てられたポリ袋やストローが、ごみの埋め立て地などから雨に流されて川に流れつき、そして最終的に海に漂うことになっていることもあります。
海洋プラスチック問題への対策
現在、世界中の地域や企業で、使い捨てプラスチック製品の使用が次々に禁止されています。たとえば飲食店のプラスチックストローが紙ストローになったり、レジ袋が有料化、ヨーロッパを中心に使い捨て容器を使う必要のない「量り売り」のショップが流行などがあります。
日本でも、2020年7月からレジ袋の有料化が始まりました。政府は、根本的に国内のプラスチックごみを大幅削減するというよりは、人々のライフスタイルを見直すきっかけだと今回の取り組みを位置づけています。
私たちにできること
では、海洋プラスチック問題に対して私たちは何ができるのでしょうか。簡単にできることとして、以下のようなことが挙げられます。
- ゴミを地域のルールに沿って分別して捨てる
- ゴミのポイ捨てはしない
- リサイクルする
- マイボトル・マイバッグを持参する
- 詰め替え可能な洗剤を使う
みなさんも、自分のできることから少しずつ始めてみてはいかがですか?
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