私たちの想い

自分でつくった堆肥で、新鮮で安全な野菜を育ててみよう〜コンポスト作りをやってみよう!vol.23

私が実践しているLFCコンポストでは、「捨てない暮らし」で台所から出る生ごみをごみとせず、循環型の生活ができる方法として、都市部に住んでいる人でも簡単に始められるコンポストを提案しています。「2030年に生ごみゼロ」を目指しています。とても大きな目標ですが、私も自分ができることをやっていきたいと思っています。

なぜならば、日本のごみ処理費はおよそ2兆円で、その半分が食品廃棄物の処理に使われています。反対に、燃やさないことでCO2も削減でき、生ごみをコンポストにして、植物を育てる堆肥として「資源」に出来るのです。食品廃棄物の処理に使われていた1兆円を他のことに使えれば、どれだけ素晴らしいことでしょう。

私はコンポストを始めて2年目で、自然を身近に感じるようになり、環境問題をより自分ごととして考えられるようになりました。食べ物への意識も変化して、少し価格は上がりますが、出来るだけオーガニックのものや食品添加物の使用が少ない食品を手に取るようになりました。この様な意識の変化はコンポストを始めた人に“あるある”話です。食品ロス(本来であれば食べられるものが、買いすぎ、期限切れ、食べ残しでごみとなる)も減る傾向になります。

前回は、「コンポスト作りに失敗はない」ことをお伝えしました。今回は、コンポストに興味はあるけど、料理もしないので、そもそも入れる生ごみがありませんという方へのご提案をしたいと思います。

いつも食事は、お弁当やコンビニ飯で生ごみが出ないという方でも、果物、特にバナナなどは自分で買って食べる方も多いのではと思います。そのバナナの皮でコンポスト経験を提案します。コンポストは、体験キットの「ガーデニングセット」が良いと思います。サイズも小さく、目安で1日300gの生ごみを3週間投入できる仕様になっています。期間よりも投入する量が目安になるので、合計で6kgの生ごみを投入できます。バナナの皮の重さ40gぐらいなので150本ぐらいまで投入し続けられるイメージです。

もちろん、コンポストには空気、水、栄養のバランスが大切なので、栄養はバナナの皮で、空気は掻き混ぜることで、水は本来、生ごみの水分で十分なのですが、バナナ1本分の皮では十分ではないかもしれないので、初めは、数本を溜めて投入するが良いと思います。分解を早めるために、投入時に少し小さく切って、入れ方は、真ん中にかためておいて、周りの基材と少しからます程度に混ぜます。初めての投入で底から混ぜてしまうと、水分が分散して分解が遅くなります。総重量の生ごみの投入が終わったら、2〜3週間「熟成」をさせると堆肥の出来上がりです。

土と野菜の種も、体験キットとして送られて来るので、出来た堆肥と土を混ぜ、プランターは使っていたバッグをそのまま使えます。種を撒いて、発芽や収穫まで経験できます。自分で育てた、新鮮で安全な野菜を食べられるのは感動体験です。

今回はバナナの皮の話をしましたが、カットフルーツを卒業して、スイカ、りんご、もも、キウイ、パイナップル、メロンの皮でももちろん大丈夫です。もしも、体験キットの後に、コンポストの継続ができなくても、生ごみが「資源」になることを経験することで、今後の人生が変わってくると思います。ぜひ一度チャレンジしてみて欲しいと思います。

私のコンポストの状況は、2つあるバックの一つが3週間の熟成期間を終えて、堆肥としてお使える様になりました。熟成しても、分解し切れていない物があるので、カゴにピックアップしてみました。卵の殻や鳥の骨、かにの爪先が残っていました。甲羅部分は完全に分解したようです。とうもろこしの皮の破片のような繊維質も残っていました。アメリカミズアブのさなぎもカラカラになって残っていました。これらは堆肥として時間をかけて分解されながら、野菜の根っこの栄養になってくれます。キウイの皮に貼られていたシールも沢山でてきまして、これはゴミとして処分します。

秋に向けて野菜の種を買ってきたので、出来た堆肥と土を混ぜて、庭で家庭菜園をしたいと思います。家庭菜園はまだまだ初心者なので、気持ちはワクワクとドキドキです。LFCのコンポストアドバイザーの講座は終了して、あとは試験を待つばかりです。次回の記事には、コンポストの話と、試験の結果や、家庭菜園の状況もお伝えできるかと思います。

毎日、地球全体でみると膨大なゴミの量が出ています。コンポストは、環境に優しい誰でも出来る小さな循環生活です。私がこのようにコンポスト作りについて伝えることで、誰かの小さなソーシャル活動の一歩につながればと思います。

京都在住/50歳代女性

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