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【岩手ビッグブルズ × HERALBONY】東日本大震災復興祈念試合特別ユニフォームに込められた想い

ヘラルボニー ユニフォーム

パッと目を引く、鮮やかなデザイン。東日本大震災から10年の節目の年に、B3リーグに所属する岩手ビッグブルズの選手たちが「東日本大震災復興祈念試合」で着用したのは、HERALBONY”の美しいアートで彩られたユニフォーム

岩手ビッグブルズ_社会貢献活動_ヘラルボニー_ユニフォーム©︎IWATE BIG BULLS

”HERALBONY”(以下、ヘラルボニー)は、知的障がいのあるアーティストが描くアート作品をプロダクトに落とし込み、社会に提案するブランドです。東日本大震災から10年の月日が経過する2021年に、岩手ビッグブルズと同じ岩手県という地にある企業とのコラボレーションによって生まれた「東日本大震災復興祈念試合特別ユニフォーム」に込められた想いについて、岩手ビッグブルズ代表取締役社長の水野哲志氏にインタビューをしました。

ホームタウン岩手との”つながり”をつくる

今回、初の取り組みとなった「ヘラルボニー」デザインの東日本大震災復興祈念試合特別ユニフォームの製作背景について、教えてください。

水野)キャプテンの伊藤良太選手がヘラルボニーのマスクをSNSで見かけたことをきっかけに、今回の特別ユニフォーム製作が実現しました。クラブとしても地域とのつながりを大切に、日々活動をしていますが、伊藤選手自身も「岩手とのつながり」を生むことを非常によく考えていて、本人から「岩手県の企業であるヘラルボニー様とのコラボレーションによって復興をより広く発信できるのではないか」と、クラブに提案がありました。早速、ヘラルボニー様とお話をさせていただき、復興に対するクラブの想いに共感をいただいて、取り組みが決定しました。

毎年3月に行われる試合や沿岸地域で行われる試合は「復興祈念試合」として開催していて、その試合に合わせて特別ユニフォームを作って着用しているので、今年の復興祈念ユニフォームをデザインしていただくことになりました。準備期間は短かったですが、各社の協力のもと、2月のホーム戦、東日本大震災復興祈念試合で着用ができました。

岩手ビッグブルズ_社会貢献活動©︎IWATE BIG BULLS

本当の意味での”復興”を目指す

今回ヘラルボニー様と製作されたユニフォームのデザインについて教えてください。

水野)岩手県釜石市出身で、るんびにい美術館に所属するアーティスト小林覚さんのアートがユニフォームに組み込まれています。このアートは、ビリー・ジョエルが1978年に発表した名曲「マイ・ライフ」をイメージした描かれたもので、「マイ・ライフ」は物質的な豊かさよりも心の豊かさを歌った、自分らしい生き方を伝えている曲です。この復興10年にあたり、心の豊かさを求めつつ、本当の意味での復興を目指すユニフォームをイメージしたデザインになっています。

岩手ビッグブルズ©︎HERALBONY

「福祉×スポーツ」の可能性

”福祉を起点に新たな文化を創る”という想いがあるブランドとのコラボレーションにあたり、スポーツクラブとしては、”福祉”についてどういった考えをお持ちでしょうか。

水野)ヘラルボニーの松田副社長も仰っていましたが、スポーツクラブとのコラボレーションは、ヘラルボニー様としては初めての取り組みで、日本全国を見ても「福祉×スポーツ」のコラボレーションは、そう多くはないです。ヘラルボニー様が岩手県の企業であるという縁もありますが、福祉系企業との協業は、雇用の機会が生まれる可能性もありますし、スポーツを通じて情報発信することで、福祉系企業のメッセージや想いをより広く伝えることができると考えています。

今回限りに留めず、今後も継続的にヘラルボニー様とのパートナーシップを築きたいと考えています。リーグ全体としても、社会貢献活動に対して積極的に取り組んでいますが、各クラブが積極的に取り組むことが大事だと考えています。

復興のシンボリックな存在に

今年は東日本大震災から10年という節目の年ですが、クラブのこれからの”復興”に対する想い、考えをお聞かせください。

水野)クラブが創設されてから間もなく東日本大震災が発生したため、この10年間、クラブは常に「復興」とともにありました。「復興のシンボリックな存在になれるように」と、企業理念に記すほどに、年々、復興に対する想いは増しています。

岩手県は南北に長く、日本一広い面積を持っている県で、四国とほぼ同じ広さです。しかしながら、岩手県にあるプロスポーツクラブは数チームしかなく、東京のように多様な競技のスポーツクラブがあるわけではありません。そのため、ひとつの市や街を拠点とするのではなく、「岩手県のスポーツクラブ」として活動をしていて、岩手県のみんながスポーツを楽しめるようにと、岩手県内の各地で試合を開催するようにしています。

おかげさまでクラブの認知度は高まって、多くの人が知っている存在となりました。震災の影響を大きく受けた沿岸地域での試合開催も行ったり、釜石市でアカデミーのクラスを開講したりと、地元に根付いた活動はできてきていると思います。陸前高田市での試合後、一人の少年から「震災後から、今日が一番楽しい日でした。」と、声をかけてもらったことがとても印象に残っています

昨年から18歳以下の方は無料で試合観戦ができるので、会場でスポーツの力を肌で感じてもらって、未来を考える何か一つのきっかけにしてもらえたら良いと思っています。また、1年を通して、県内約100ヶ所でバスケットボール教室も開催していて、選手はシーズン中でも、地域貢献活動に積極的に参加しています。バスケットボールをやる機会がない地域もあるため、そういった地域の子どもたちにバスケットボールをやる機会を提供していきたいと考えています。

岩手ビッグブルズ_社会貢献活動©︎IWATE BIG BULLS

選手たちはクラブの想いに対してどう考えていますか?

水野)クラブの理念に共感してくれた選手と契約をしていますが、どの選手も試合の”勝ち負け”よりも大切なもの、もっと大きな想いを持って、日々活動しています。今回のコラボレーションのきっかけとなったキャプテンの伊藤選手をはじめとして、選手たちが「岩手に貢献したい、岩手ともっと繋がりたい。」という想いを持っています。昨年、大雨による被害があった時にも、選手たちからクラブ側に「何かできることはないか?」と声が上がり、支援活動を行いました。 

選手たちから社会貢献活動の声が上がるのは、とても素晴らしいことですね。スポーツ選手は大きな影響力を持っているので、選手自らアクションを起こせることは、重要だと感じます。

それでは最後に、改めて、今回のコラボレーションと復興祈念試合について、想いをお聞かせください。

水野)2021年4月3日(土)・4日(日)ベルテックス静岡戦@宮古市民総合体育館(シーアリーナ)で開催される「東日本大震災復興祈念試合」でも、今回ヘラルボニー様にデザインしていただいた「東日本大震災復興祈念特別ユニフォーム」を着用します。被害の大きかった宮古市での試合となりますが、バスケットボールの持つ力、スポーツの力を通じて、地域を励ましたいと思います。

また、今回のユニフォームでチャリティーオークションを実施し、落札金額の一部を沿岸地域復興のために寄付させていただきます。

震災から10年の節目となりますが、これからも、岩手ビッグブルズは、バスケットボールを通じて、これからも岩手県の皆さまに寄り添って、地域に根付いた活動を続けていきます。

 

岩手ビッグブルズ:https://www.bigbulls.jp/

株式会社ヘラルボニー:https://www.heralbony.jp/

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