3分解説

【3分解説】アグリテクチャーとは?その意味をわかりやすく解説!

アグリテクチャー

『アグリテクチャー(Agritechture)』とは、農業(Agriculture)と建築(Architecture)を組み合わせてつくられた造語です。
近代的な建造物と農業を掛け合わせた都市型農業として欧米を中心に注目されています。1968年の都市計画法を背景として急速に拡大する都市化の中で、変革して行く農業とその対策である『アグリテクチャー』について、言葉の意味や具体例について解説していきます。

アグリテクチャーとは

『アグリテクチャー(Agritechture)』とは、農業(Agriculture)と建築(Architecture)を組み合わせてつくられた造語です。
その代表例が「垂直農業」であり建物の高さや傾斜を利用し、広い土地のない都市部でも農業を可能にするだけでなく、農業に適さない土地でも食物の栽培が可能となります。
こういった建築物は欧米を中心に世界各国の都市部で建築が進んでおり、オフィスビルや高層マンションなどに住みながら家庭菜園を楽しむことができ、自然を感じる事ができます。
このアグリテクチャーがもっと普及していけば砂漠のような農業にまったく適さない土地でも作物を育てる事ができます。

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アグリテクチャー

アグリテクチャーと日本・世界の取り組み

日本国内ではアグリテクチャーの取り組みはまだまだ少なく、屋上、ベランダなど限られたスペースに畑をつくる『マイクロファーミング』が少しずつ普及してきています。屋上庭園で手軽に農業を楽しんだり、水耕栽培器を使用して室内で野菜作りを楽しんだりと海外の事例と比較すると小規模ではあるが確実に普及してきています。
ここでは世界各国の取り組みと日本の取り組みについて取り上げます。

カナダ 「The Plant」

カナダでは各都市による「グリーンシティ」開発が進められており、都市型農業の拡大や農業利用に関する新たな土地利用条例が整備されています。
こうした中でカナダのトロントではまさに植物や野菜の栽培と建築物が融合した施設「The Plant」の建設プロジェクトがスタートしております。

フランス「NATURE URBAINE」

2020年パリのポルト・ド・ヴェルサイユ見本市開場の屋上に1万4000平米の欧州最大の屋上農園がオープンしました。水耕栽培でトマト、なす、きゅうり、空中栽培でイチゴ、ハーブ、ブタンソウなどを栽培しています。
近隣のレストランだけでなく、一般家庭からも注文を受けています。

アラブ首長国連邦 「Badia Farms」

2017年ドバイに商業垂直農場「Badia Farms」がオープンしました。ドバイは砂漠気候に分類され、年間の降水量は100ミリ以下であり、気温は一年を通して14度から41度に変化します。本来であればこのような環境下では作物は育ちません。ドバイでは数千キロ先から野菜や果物を運んでくることも珍しくはありません。このような状況を打破しようと設立されたのが「Badia Farms」であります。最新の水栽培技術と垂直農場技術により日光、土、化学薬品等を使用せずにレタスやベビーリーフなどを栽培しています。また必要不可欠である水は従来の農場が必要とする水量の10%のみを使用し、使用後はリサイクルして活用しています。

アメリカ「Glasir」

10個のモジュール(5つの成長モジュール・3つの生産モジュール・2つの入手モジュール)で構成され、モジュール内で空中栽培を行なっています。一つのモジュールで約217kgの野菜を収穫する事が出来ます。
また「Glasir」では人工知能と環境センサーが搭載されており、環境条件をインプットすることにより、最適化した環境下で栽培をする事が出来ます。

オーストリア「the farm house」

ザ・ファームハウスは住居と垂直型農場を一体化させたモジュール式ビルディングです。
A構造ハウスをベースとし、これを斜め格子状に重ね合わせてビルにしていく仕組みで、A構造ハウスが連結することで生じるV字型の空間を「垂直型農場」として利用します。
循環型資源システムを採用しており、ビルから出る排熱や浄化された雨水、食料廃棄物を分解させてできる堆肥を使用するといった、高層ビルに居ながら野菜や果物を栽培できます。

日本「アーバンファーム」

総合人材サービス大手のパソナグループ本部ビルは壁面が植物で覆われており緑のランドマークとして道行人たちに癒しと楽しみを与えてきました。
特徴的なのは外観だけではなく、屋内には水田やとうもろこし畑があり、植物工場も備え、社内食堂で提供される野菜が育てられています。

アグリテクチャー

アグリテクチャーの問題点と将来

アグリテクチャーの概念では、本来農業ができない大都市や砂漠などで野菜を育てることが出来たり緑を感じることができます。しかしそういった環境下で栽培ができる植物が少ないことや、栽培ができる環境を整えるまでに莫大な費用がかかります。また日本国内において農業従事者の割合は65歳以上が69.6%、49歳以下が10.8%(39歳以下は4.9%)となっております。高層ビルや近代的な建物に移行するのは現実的ではありません。

こういった現状を打破するには従来の世襲型農業ではなく、法人を主体としたビジネスとしての農業を広めて行く必要があります。

世界中の大都市で立ち並ぶ高層ビルとともに緑が広がる世の中も遠い未来ではないのかもしれません。近代化と共に衰退を辿ってきた農業を成長産業として発展させていくために「アグリテクチャー」に注目してはいかがでしょうか。

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【シャレン!/福島ユナイテッドFC】 想いを乗せて、福島や農作物の魅力を届ける。選手自ら汗を流す「農業部」選手たちが県内各地の農園に出向き、農作業に汗を流すーー。Jクラブとしては珍しい「農業部」活動を行う福島ユナイテッドFC。話を伺うと、クラブの“福島への想い”が見えてきました。...

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