3分解説

【3分解説】トランスジェンダーとは?その意味をわかりやすく解説!

トランスジェンダーとは

『トランスジェンダー』とは、体の性と、心の性が一致していない状態にある人のことを指す言葉です。出生時の体の性別が男性で、性自認が女性であるトランスジェンダーのことをMtF(Male to Female)、その逆のことはFtM(Female to Male)と表現します。日本では、医学的用語としての『性同一性障害』とよく混同されますが、厳密には異なる言葉です。今回は、トランスジェンダーに関する基礎的な情報だけでなく、性同一性障害との違いについても解説していきます。

トランスジェンダーとは

皆さんは『トランスジェンダー』という言葉に聞き馴染みはあるでしょうか。

近年、「LGBT」という言葉が頻繁にメディアで取り上げられ、社会的な注目度も高まってきています。『トランスジェンダー(Transgender)』は、そんな「LGBT」の中のひとつです。

トランスジェンダーとは、生まれ持った生物学的な「性」と、各個人が自認する「性」が異なる状態にある人々のことです。

生物学的な性別が男性で、性自認が女性であるトランスジェンダーはMtF(Male to Female)、その逆は、FtM(Female to Male)と表現します。

それとは反対に、生物学的な「性」と個人が自認する「性」が一致する人々は、『シスジェンダー』と表現します。

シスジェンダーという言葉が使われるようになった背景には、トランスジェンダーのみに特別な表現が使われると、その状態にある人々が特別視され、それが差別に発展する可能性があるという背景があり、そこで対義語としてのシスジェンダーという言葉が用いられるようになりました。

【3分解説】シスジェンダーとは?その意味をわかりやすく解説!「シスジェンダー」とは、性自認(自分の性をどのように認識するか)と生まれ持った性別が一致している人のことを指します。例えば、出生時に身体が「男」と診断され、自分自身を「男性」だと思っている人は「シスジェンダー男性」、出生時の身体が「女」と診断され、自身を「女性」だと思っている人は「シスジェンダー女性」となります。 今回は、シスジェンダーという言葉が生まれた背景やシスジェンダーの特権について、解説していきます。...
トランスジェンダーとは

トランスジェンダーを取り巻く社会問題

「LGBT」とは、Lesbian(レズビアン、女性の同性愛者)、Gay(ゲイ、男性の同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、同性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、体と心の性が一致しない状態にある人々)の頭文字を取った言葉で、従ってトランスジェンダーは、この「LGBT」の「T」に該当します。

ここでは、「LGBT」全体として、それらを取り巻く社会問題についてご紹介します。

LGBTの方々が抱える問題として、①結婚、②医療、③就労の3点が主に挙げられます。

結婚

日本では、同性婚は認められていません。

これは、日本国憲法第24条が「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」という規定を設けているからです。

世界各国で同性婚を認める事例が増えてきています。今では、主要先進国からなるG7の中で、同性婚が認められていないのは日本のみとなっており、対応の遅れが指摘されています。

ですが、日本でも自治体レベルで変革が起こっています。2015年11月に、東京都渋谷区が「渋谷区パートナーシップ証明」を全国で初めて導入したのを皮切りに、2022年10月現在で合計240の自治体が、パートナーシップ制度を導入しました。(「みんなのパートナーシップ制度」より)

全国でパートナーシップ制度の導入が進む傾向にありますが、結婚とは異なり、法的な拘束力がないため、例えば、パートナーの法定相続人にはなれず、パートナーとの子どもの親権を得ることができません。

このように、享受できる法律上の権利が結婚と比べて大きな差があることから、同性婚を認めることには、大きな意義があると言えます。

医療

この分野では、主に2つの問題をご紹介します。

1点目は、結婚や戸籍とも深く関連する問題ですが、医療機関では戸籍上の名前で呼ばれることで、受診を躊躇う、または行きづらさを感じるという問題です。

2点目は、パートナーが重大な事故等に巻き込まれ医療機関に搬送された際に、婚姻関係に無いことなどから、当該機関より安否情報や治療内容についての説明を受けられないという事例が存在するという問題です。

医療機関でも、依然LGBTの方々への配慮が不足している状態にあります。

就労

多くの方にとって身近な「就労」においても、問題が確かに存在します。

代表的な事例としては、就職活動における企業での面接において、LGBTに該当する旨を伝えたところ、それによって面接が中止になったこと、昇進や昇格のためには結婚していることが要件だが、同性のパートナーがいたことから、それらができなかったことが挙げられます。

ミュータントウェーブ
元サッカー選手・トランスジェンダーの3人がはじめたYouTuber「ミュータントウェーブ」を突撃取材日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)の元選手で、現在は男性として生きるトランスジェンダーの3人が、自分らしく個性を発揮できる社会を目指してYou Tubeでの動画配信をしています。突然変異する波という意味の「ミュータントウェーブ」というグループは、情報発信を通してどのような未来を実現したいのでしょうか。ミュータントウェーブのおーちゃん、あさひ、まさの3人にお話を聞きました。...

『トランスジェンダー』と『性同一性障害』の違い

皆さんは、この2つの言葉の違いについて、ご存じでしょうか?
これらはその特徴からよく混同されがちな言葉ですが、厳密には異なるものです。
ここでは、その違いについてわかりやすく解説します。

「性同一性障害」とは、医学的用語であり、身体の生物学的な性と、自認する性が異なる状態にあり、その方々は、その状態に違和感を感じます。そこで二つの性の一致を願い、手術や治療によってそれらを一致させることを望む状態にあることを言います。

トランスジェンダーの中には身体的治療を望まない人もいます。よって、トランスジェンダーはより広義の概念であり、その中に性同一性障害が包括されると考えてよいでしょう。

まとめ

今回は、トランスジェンダーやそれを含むLGBTについて、語句の解説から、それを取り巻く社会問題、類似語との区別まで、幅広く解説しました。

性的マイノリティーについて、正しく理解をし、多様性を尊重し、誰もが心地よく生活できる社会を創り上げていくこと、これこそが現代社会において強く希求されています。

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