2冬季オリンピックでも話題になった「パシュート」。「パシュート」は、英語でPursuitといい「追跡」や「追撃」という意味があります。今回は、スピードスケート競技の一種である「パシュート」の意味や競技のルールについて解説します。
パシュートとは
パシュートとは、英語でPursuitといい「追走」や「追撃」という意味です。「追い抜き」ともいわれます。スピードスケートの種目の一種で、チームパシュートとも呼ばれます。2チーム3人ずつで行われ、タイムを競います。
スピードスケートのリンク
スピードスケートは、1周400mのダブルトラックリンクというリンクを使用します。ダブルトラックリンクは、内側(インナーレーン)と外側(アウターレーン)の2つのレーンで構成されています。バックストレートというエリアで内側と外側が入れ替わることにより、インナー・アウターともに400mになっています。
(参考: https://www.joc.or.jp/sports/speed.html )
スピードスケートでは、ダブルトラックリンクが使用され、競技方式は2種に分かれます。
シングルトラック方式
ダブルトラックリンクの内側レーンのみを使用する方式。ひとつのレーンを複数の選手が滑走します。団体競技で採用されており、一部の個人競技でも採用されています。
ダブルトラック方式
2人の選手が内側レーンと外側レーンをそれぞれ滑走し、バックストレートで交差しながら規定距離を滑る方式で、主に個人種目で採用されています。
パシュートのルール
パシュートは、シングルトラック方式を使用します。競技は3人1チームで、2チームが完走の時間を競います。パシュートの特徴は、3人が隊列を組み1列に並んで滑るところです。
女子は6周2,400m、男子は8周3,200m滑走し、最後尾の選手がゴールした時点でのタイムを競います。誰かひとりでも遅れてしまうとチーム全体のタイムが悪くなってしまうため、チームメイトと呼吸を合わせタイムに挑戦することが必要です。
パシュートの戦術
3人がひとつのまとまりとなって滑る必要があるため、隊列の組み方が大切です。
先頭を滑る選手は空気抵抗を受けてしまうので、先頭を交代することにより体力を温存しながら滑る必要があります。そのため、先頭を交代する際に「追い抜き」をおこなうので、「パシュート」といわれています。
日本のパシュート
スピードスケート女子団体追い抜き(パシュート)において、2018年の平昌オリンピックでは金メダル、2022年の北京オリンピックでは銀メダルを獲得しています。北京オリンピックで、高木美帆(日体大職)、高木菜那(日本電産サンキョー)、佐藤綾乃(ANA)の3選手が活躍されたことは記憶に新しいのではないでしょうか。
日本のパシュートの特徴は、一糸乱れぬ隊列の美しさです。この隊列を組むことにより、より正確に速くゴールを目指すことができます。2022年に高木菜那選手は引退されましたが、今後も日本のパシュートに注目です。
https://youtu.be/7FR2IOd5DXI