3分解説

【3分解説】ヒュッゲとは?その意味を解説

デンマーク語のHygge(ヒュッゲ)とは、「居心地がいい空間」や「楽しい時間」、そしてそのような空間や時間をつくることで感じられる「幸福感」のことをあらわす言葉です。日本語の「ほっこり」や「まったり」というニュアンスに近い言葉とも言えます。茨城県にはヒュッゲビレッジという施設もでき、ヒュッゲに関する本も多数出版されるほど、日本でも普及し始めています。

ここでは「ヒュッゲ」を感じるためのヒントや幸せを感じる感性を養う方法を学んでいきましょう。

世界幸福度ランキング2021

デンマークは世界幸福度ランキング202120182020年の総合ランキング)で世界第2位の国で、これまでの調査でもここ数年1位、2位を取り続けている国です。ちなみに日本は、世界幸福度ランキング202156位でした。

ヒュッゲ1World Happiness Report 2021より抜粋のデータ

「ヒュッゲ」とは

デンマークで「ヒュッゲ」とは、どのような時に用いられる言葉なのでしょうか。

たとえば、自宅で1人で大好きなコーヒーを飲みながら読書をしている時、家に飾ってあるお気に入りの花や絵画を眺めている時、家族でのんびりとディナーをしている時、カフェで友だちと何気ない会話をしている時、散歩しながら太陽の暖かさを感じている時、自転車で颯爽と走りながら風景を楽しんでいる時など、これら全てが「ヒュッゲ」になります。つまり、一般的にはフランクで形式ばっておらず、日常にあるささいな出来事に心地よさを感じる考え方こそが「ヒュッゲ」の意味することです。

「ヒュッゲ」を感じるためにできること

では日本でも「ヒュッゲ」を日常で感じるためには、どのような取り組みをすればいいのか。そのヒントとなる考え方をいつくか取り上げてみます。

1.気兼ねなく過ごせる家族や友人との時間を大切にする

素の自分でいられる人たちと過ごす時間が大切です。この人たちと過ごしていると安心で安全だと感じられる人間関係ですね。家族で食卓を囲んだり、友人を招いてホームパーティーをしたり。この時に注意したいのが、主催側が気遣いをしすぎないようにすることです。家の掃除や料理のメニューに悩むよりも、一緒に過ごす時間を楽しむことに重きをおいたラフなものになるように心掛けましょう。食べ物を持ち寄ったり、誰かがつくるのではなく、みんなで役割分担できるBBQや鍋などもよいでしょう。また、当日に無用なトラブルを避けるためにも、参加者全員に事前にそのコンセプトを伝えておくこともおすすめです。

2.1人でもほっこりできる空間づくりを心がける

自宅の空間をひと工夫するという考え方もあります。デンマークでは日常的にキャンドルを灯す習慣があり、真似をして灯りを消してキャンドルを灯してみるのもよいかもしれません。また、香りも気持ちをリラックスする効果があるので、お気に入りの香りを焚くことで幸せを感じることもできるでしょう。単身ではなく家族で暮らしている場合は、少しの時間だけでも1人でいる空間をつくることがヒュッゲに繋がります。イヤホンをしてお気に入りの音楽を聴いてみるなど、そのような小さな取り組みから幸せを感じることも「ヒュッゲ」と言えるでしょう。

3.日常生活の中に自然と触れ合える機会をつくる

人間も自然の一部という原点に立ち戻り、自然と触れ合い、自然を感じられる機会をつくりましょう。観葉植物などを家に飾り、身近に小さな自然を感じることでも良いですし、朝起きて太陽の光をしっかりと感じることでも構いません。海や山などに出掛けなくても私たちの周りには自然があります。まずは、日常の生活導線の中で自然を感じられるポイントを見つけることから始めてみましょう。ふと時間のある時に公園や花屋に行ったり、時間のない時は空を見上げてみることも「ヒュッゲ」と言えるでしょう。

4.モノを大切にする

必要最低限のモノだけで生活するミニマリストの考えとはとは違い、自分のお気に入りのモノや大切なモノに愛着を持つことです。それがどれだけ古くても多少傷んでいたとしても、自分の愛着のあるモノに囲まれた生活は「ヒュッゲ」となります。片付けコンサルタントとして世界で活躍している近藤麻理恵(こんまり)さんの片付け術は、まさに「ヒュッゲな暮らし」につながるものと言えるでしょう。

ヒュッゲ2デンマークの首都・コペンハーゲンの街並み

現代人が「ヒュッゲ」を楽しむために大切なこと

これまで「ヒュッゲ」を感じるためのいくつかのヒントを考えてきましたが、もう1つ大切なことがあります。それは、幸せを感じる感性を養うことです。現代人は利便性や効率性を追求し過ぎたあまり、常に仕事や勉強に追われ心の余裕がなくなり、幸せな出来事を幸せと感じられる感性が鈍くなりがちです。

ヒュッゲは冒頭にもあるように、日常にあるささいな出来事に心地よさを感じる考え方です。そのささいな出来事から湧いてくる感情を感じるためにも、幸せの尺度を0(不幸せ)か10(幸せ)の2択で考えるのではなく、0から10までの変化を感じられるように自分の心の動きに日常から向き合っていきましょう。そうすることで、自分らしい「ヒュッゲ」を感じるポイントにも気づくことができます。

みなさんも、自分らしい「ヒュッゲ」を探してみませんか?

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