デジタルタトゥーとは、インターネット上に残ってしまっている文章や画像、動画などのデータのことです。デジタルタトゥーがあることにより、就職や結婚に不利になってしまう場合もあります。この解説では、「デジタルタトゥー」の意味や種類について紹介します。
デジタルタトゥーとは?その意味
「デジタルタトゥー」とは、インターネット上に残る文章や画像、動画などのデータのことです。一度載せてしまうと、インターネット上に半永久的に残ってしまい、消すことが難しいことから、刺青を意味する「タトゥー」に例え「デジタルタトゥー」と呼ばれています。
2019年にドラマになったこともあり、言葉や意味が広まるようになりました。
インターネット上の掲示板やSNS、ニュースサイトやブログなどに載せられた文章や写真、動画だけではなく、位置情報や検索履歴などもデジタルタトゥーの一種とされています。このようなデータは、基本的には本人やサイトの管理者が消すことでなくなりますが、拡散されてしまった場合には本人でも消すことが難しくなってしまいます。
例えばSNS上で発言した内容が、スクリーンショットされてしまうと、たとえ本人が発言を取り消したとしても転載を繰り返し、永遠に残り続けてしまうことなどが挙げられます。
軽い気持ちで載せた発言や画像などが拡散されてしまうと、本人が意図しない範囲まで拡大し残りつづけ、自分や誰かの人生を変えてしまう可能性もあります。
デジタルタトゥーの種類と事例
デジタルタトゥーとして残ってしまう情報の種類は以下の通りです。
失言
SNS上では、自分の意見や考えを自由に発言することができます。通常であれば、投稿を削除すれば意見や考えも消えるはずですが、誰かがスクリーンショットや転載をしていた場合、残り続けてしまいます。政治家や芸能人など、過去の発言について謝罪を求められている事例もあります。
個人情報
画像や動画を簡単に載せることができるため、家族や家の近くの写真などを載せることもあります。しかし、そのような個人を特定できる画像や動画から住所等を突き止められてしまうこともあります。場合によっては、子どもが犯罪巻き込まれることもあります。
誹謗中傷やデマ
SNSで特に多く見受けられる内容として、誹謗中傷やデマがあります。その内容の正誤を問わず拡散されてしまうこともあるため、注意が必要です。シェアした内容が正しくなかった場合、デマの拡散に意図せず加担してしまう場合もあります。情報の見極めが必要です。
性的な画像や発言
性的な関係をもった人による「リベンジポルノ」や、風俗店などで働いていたときの写真、アダルトビデオなどへ出演した際の配信動画もデジタルタトゥーのひとつです。2014年に「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(リベンジポルノ防止法)」が可決され、以前よりも被害を訴えやすくなりましたが、情報を完全に削除することは大変難しいです。
逮捕歴や犯罪歴
ニュースサイトや新聞のウェブ版などでは、容疑者名などが実名で載せられます。一度載せられてしまうと、冤罪や不起訴であったとしても消すことが難しく就職や結婚、その他人生におけるイベントで不利になってしまう場合があります。
バイトテロなどの悪ふざけ
アルバイト先での悪ふざけ(冷蔵庫に入ったり、醤油刺しなどを口にいれるなど)をSNSに投稿したことにより、個人が特定され、場合によっては損害賠償を請求されることもあります。
デジタルタトゥーと就職
デジタルタトゥーに値する情報や書き込みなどがインターネット上に残ってしまっている場合、採用担当者が実名検索をすると情報が見つかってしまいます。仮に過激な発言などをしていた場合、現在はそうでなくても過去の言動から不採用になってしまう場合もあります。
就職や転職に用いるツールがインターネットになった現在、企業側もインターネットを用いて採用予定者の情報を調べることは当たり前に行われています。不利益な情報は残さないようにすることが大切です。
また、既に罰を受けていたり刑期を終えていたりしても、犯罪などの履歴が検索されてしまうと、書類選考に落ちたり面接に落ちたり、さらには内定取り消しなどもあり得ます。一瞬の投稿がそれ以降の人生を狂わせることもありますので、注意が必要です。
デジタルタトゥーの消し方
デジタルタトゥーを消すことは簡単ではないと言われています。
消す場合は、弁護士に頼み削除依頼を代わりにしてもらったり、誹謗中傷や風評被害対策を行なっている企業等に依頼したりすることが必要です。いずれにせよ、まとまったお金がかかります。
デジタルタトゥーの消し方はないものと認識し、後悔しないためには、むやみに発信しないことや本名を使って発信しないこと、位置情報などを載せないことが大切です。