『デフリンピック』とは耳の聞こえないアスリートのためのオリンピックで、次回2025年大会は東京での開催が決まっています。デフリンピックでは日本人選手の活躍も見られており、過去の大会では多くのメダルを獲得しています。東京大会にも期待が高まっているデフリンピックについて、この記事ではわかりやすく解説していきます。
デフリンピックとは
デフリンピックとはろう者(耳の聞こえない人)のオリンピックであり、1924年にフランスで夏季大会、1949年にオーストラリアで冬季大会が初めて開催されました。競技には以下のものがあり、夏季は全21種目、冬季は全5種目となっています。デフリンピックの由来は「ろう者(Deaf)+オリンピック(Olympics)」の造語です。
夏季
陸上・バスケットボール・バレーボール・サッカー・柔道・ビーチバレーボール・バドミントン・ゴルフ・卓球・水泳・水球・テニス・空手・自転車・ボウリング・テコンドー・射撃・レスリング(フリースタイル・グレコローマン)・マウンテンバイク・オリエンテーリング
冬季
アルペンスキー・クロスカントリースキー・スノーボード・カーリング・アイスホッケー
パラリンピックとデフリンピックの違い
パラリンピックもデフリンピックも障がい者のスポーツ大会ですが、参加できる人が違います。パラリンピックは身体障がい者を対象としており、聴覚障がい者の競技種目はありません。聴覚障がい者はパラリンピックに参加できないのでパラリンピックとは別にデフリンピックが開催されています。
デフリンピックならではの特徴
まず、デフリンピックの特徴としてコミュニケーションに手話が使われます。デフリンピックには耳の聞こえないアスリートが参加するため、世界中で通じる国際手話が主として使われています。また、デフリンピックでは全員が補聴器を外して競技に臨みます。その中でパフォーマンスを発揮するために、デフリンピックでは『音』ではなく『目』でわかる工夫がされています。例えば、陸上などのスタートの合図には光がぴかっと光るフラッシュランプが使われています。
サッカーなどの試合で反則があった際には、旗をあげたり手をあげたりして選手に伝えています。このように、オリンピックやパラリンピックでは見られない工夫がデフリンピックではされています。
デフリンピックで活躍する日本人
前回の2022年に開催されたデフリンピックでは、日本は過去最多となる合計30個のメダルを獲得しました。陸上競技では男子100m走で佐々木琢磨選手が金メダルを獲得しました。男子100m走で日本人選手が金メダルを獲得したのは、デフリンピックだけでなく、オリンピック、パラリンピックを通じても初めての事です。水泳競技では茨隆太郎選手が金メダル4個銀メダル3個の計7個のメダルを獲得しました。他にも多くの選手がトップレベルで活躍しており、東京大会での活躍にも期待が高まります。
デフリンピックの現状
デフリンピックの認知度は約16%であり、パラリンピックの約98%に比べてとても低くなっています。デフスポーツの認知度を上げるために、選手たちはデフスポーツに参加できるイベントを開催したりとデフスポーツを広める活動もしています。
また、スポーツをテーマに健常者と障がいを持つ人の交流会も開かれ、言葉の壁を越えての交流も行われています。
デフリンピックについて解説してきましたが、知らない事がたくさんあったのではないでしょうか。この記事を読んだ皆さんにデフリンピックやデフスポーツに興味を持っていただけたら嬉しいです。
2025年に東京で開催されるデフリンピックを一緒に応援しましょう。
一般財団法人全日本ろうあ連盟 スポーツ委員会 https://www.jfd.or.jp/sc/deaflympics/
デフリンピック東京大会は2025年11月15日(土)~26日(水)の期間で開催され、駒沢オリンピック公園総合運動場などで競技が行われます。
前回の2022年デフリンピックブラジル大会ではコロナ禍による多くの活動制限の中でも、選手たちの頑張りがメダルという結果となって表れました。
東京大会でも選手たちが活躍できるようにデフリンピックを一緒に応援しましょう!