「Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)」
みなさんはこの言葉をご存知でしょうか? 「Black Lives Matter」とは、アメリカで始まった人種差別抗議運動のことです。 スポーツ界でも多くのムーブメントが起こり、世界中で注目を集める「Black Lives Matter」。今回は、この運動の背景や事例を紹介しながら、人種差別問題について考えることの大切さを解説していきます。
Black Lives Matterとは
「Black Lives Matter」(以下、BLMと略)とは、アメリカで始まった人種差別抗議運動のことで、構造的な人種差別や、特に黒人への不当な暴力に対して戦うことを目的としています。
“BLM運動”と聞くと、2020年5月に米ミネソタ州で、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが白人の警察官に首を圧迫されて死亡した事件を受け、全米に広がっていった抗議運動を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、BLM運動のきっかけは2012年2月に米フロリダ州で起きた事件から起きており、現在その活動の域は世界中へと広がっています。
スポーツ界でのムーブメント紹介
スポーツ界でもさまざまなムーブメントが発生しました。これらはほんの1例にすぎません が、アメリカ・プロバスケットボールリーグNBAやイギリス・サッカープレミアリーグでは黒人差別への抗議活動を支持する特別仕様のユニフォームを着用したり、抗議運動に選手自らが参加することでリーグ全体として人種差別の根絶を誓いました。
また、2020年テニスの全米オープンで優勝した大坂なおみ選手。毎試合、さまざまな名前をプリントしたマスクを着用していることで話題になりましたが、大坂選手は人種差別の被害にあった方々の名前がプリントされたマスクを着用することで、この運動への支持をアピールしたのでした。
Black Lives Matterと私たち
島国である日本では、“人種差別問題は関係ない”、“人種差別は起きていない”、もしくは、“なぜBLM運動は黒人に関する運動なのに日本と関係あるのか?”と思われる方もいるかもしれません。
国外に出れば、アジア人であることが原因で人種差別を受ける可能性ももちろんあるでしょう。大切なのは、誰にだって人種差別の被害者となる恐れがあり、また、気づかないうちに加害者となってしまう恐れもあるということです。
私たちに必要なことは
これからの私たちに必要なことは、まず、身近に潜んでいるあらゆる差別の存在に気付くこと、そして、差別を少しでも無くす、改善するアクションに繋げていくことではないでしょうか。
今回の「BLM運動」は、世界での、そして、日本国内での差別問題とどう向き合うのか、さらには、日本国内の人種的マイノリティの人々の日常は、本当の意味で大切にされているかどうかを考える良いきっかけとなっています。