3分解説

【3分解説】アンプティサッカーとは?そのルールをわかりやすく解説!

アンプティサッカー

『アンプティサッカー』(amputee soccer = 切断者サッカー)とは、主に上肢又は下肢の切断障がいを持った人々により行われるサッカーのことです。下肢に障がいを持つ人はフィールドプレーヤー、上肢に障がいを持つ人はGKとしてプレーをし、フィールドプレーヤーはクラッチと呼ばれる杖を使ってプレーします。

日本でも普及が進む『アンプティサッカー』について、そのルールや競技の見どころをわかりやすく解説していきます。

アンプティサッカーとは?

『アンプティサッカー』とは、1980年代にアメリカの切断者がボールを蹴ることによって生まれました。その後にアメリカ軍の負傷兵のリハビリの一環として採用されたことから一気に普及が進み現在では世界50ヵ国以上の国々で親しまれています。

パラリンピックの正式種目にではありませんが、トルコではプロリーグも存在し、ワールドカップ決勝では3万人以上の観客がが詰めかけるなど、世界で最も人気のあるパラスポーツの1つに成長しています。

日本では2008年にブラジル人の日系3世で元ブラジル代表のエンヒッキ・松茂良・ジアス選手が来日したことにより普及活動が始まりました。その後2009年に日本アンプティサッカー協会が設立され、現在国内では11チーム、約100名ほどの選手が活動しています。

アンプティサッカー体験会
誰もが一緒にスポーツを楽しめる社会へ~大分トリニータ・アンプティサッカー体験~Jリーグ・大分トリニータでは、ユニフォームスポンサーおよびソーシャルアクションパートナーであるネットワンシステムズ株式会社と協力し、社会貢献活動に積極的に取り組んでいます。 今回は、アンプティサッカー『FC九州バイオラール』の加藤誠さんへのインタビューです。「何かを失っても、もっと人生は輝ける」そんなメッセージを持つ加藤さんが、パラスポーツを通じ、また日本代表の経験を活かしながら共生する社会を目指し挑み続ける理由とは何なのでしょうか。...

アンプティサッカーのルール

フィールド・人数

フィールドは60m×40mで、ゴールは少年サッカー用のゴールを使用します。

プレーヤーの構成は下肢に障がいを持ったフィールドプレイヤー6名と上肢に障がいを持ったゴールキーパー1名の計7名で構成されており、試合時間は前後半25分計50分で行われます。

クラッチと四肢に関するルール

アンプティサッカーに関する最も特徴的なルールとしては『クラッチ』という杖に関するルールが挙げられます。

クラッチに関してのボールの操作は認められていません。(ただしこのクラッチのボール操作に関しては故意でなければ反則にならない。)クラッチがボールに意図的に触れた場合はハンドとなり、その場からの直接フリーキックとなります。これはクラッチはあくまで移動のための手段であり腕の延長線上という扱いになるからです。

クラス分け

またアンプティサッカーは障がいによるクラス分けがされていません。そのため、選手個人ごとの公平性を保つために、障がいを抱えている側の四肢の使用は禁止されています。その為ゴールキーパーは基本的に障がいの抱えている側の腕を固定して試合に臨んでいます。また一部のフィールドプレーヤーや健常者が参加するときは足を固定する器具を装着することもあります。

その他のルール

基本的にはサッカーと同じルールですが、その他下記のような相違点がアンプティサッカーには存在します。

  • ゴールキーパーはゴールエリアの外に出てはいけない。またエリアの外のボールに触れてはいけない。
  • ボールが外に出た場合はキックインでゲームを再開する。
  • オフサイドはなし。
  • 選手交代は何回でもできる。

jiff
「なぜ障がいがあるだけでサッカー環境が違うのか?」~誰でも、いつでも、どこでもを目指して~『サッカーから共生社会の実現を』をメッセージに掲げる日本障がい者サッカー連盟(JIFF)は、7つの競技(アンプティサッカー(切断障がい)、CPサッカー(脳性麻痺)、ソーシャルフットボール(精神障がい)、知的障がい者サッカー/フットサル(知的障がい)、電動車椅子サッカー(重度障がい等)、ブラインドサッカー/ロービジョンフットサル(視覚障がい)、ろう者サッカー/フットサル(聴覚障がい))をまとめる団体として2016年に設立されました。元日本代表の北澤豪さんを会長として精力的に活動し、東京パラリンピックではブラインドサッカー(5人制サッカー)の活躍が話題になりました。...

アンプティサッカーの見どころ

 選手同士の激しいプレー

アンプティサッカーの魅力の1つとして、「選手同士の激しいプレー」が挙げられます。実際にピッチでは「カン!カン!」というクラッチ同士のぶつかる乾いた音が聞こえてきます。また片足一本で体の全体重を支える必要がある為選手には強靭なフィジカルが求められます。フィールドの人数が6名と少ないこともあり激しい肉弾戦がピッチ上では繰り広げられています。

アンプティサッカー

ダイナミックなプレー

アンプティサッカーは、パラスポーツとは思えないほどのダイナミックなプレーが売りでもあります。体全体を鞭のように使いながら行う躍動感あふれるプレーだけでなく、ドリブルでは相手の選手をごぼう抜きにしてしまうプレーも見られます。また、ゴール前での攻防では、ゴールキーパーによる障がいのある方の肩を使ってのセービングや、わずかな隙を狙うシュート、直接フリーキックやボレーシュートなど、多彩なプレーで会場を沸かせています。

アンプティサッカー

年齢や障がいに関係なく楽しむことができる

アンプティサッカーは、障がいによるクラス分けがないパラスポーツです。そのため、四肢に障がいのある人が障がいの重さに関係なく楽しむことができると同時に、健常者も片足を使わなければ同じ条件になるため、気軽に楽しむことができます。実際に国内で行われる一部の公式戦では健常者も選手に混ざって出場することが可能です。

また、アンプティサッカーは幅広い年齢層が親しめるスポーツで、国内のアンプティサッカーの公式戦での選手の最高年齢は60代後半です。一方で、小学生で国内大会に出場している選手もいます。このように選手の年齢や障がいに関係なく楽しむことができるのもアンプティサッカーの魅力の一つになります。

国内におけるアンプティサッカーの大会

日本アンプティサッカー選手権

日本国内におけるアンプティサッカーの最古の大会が「日本アンプティサッカー選手権」です。毎年川崎市にある富士通スタジアム11月頃に行われています。2011年に第一回が始まり2022年には第11回を迎えています。

レオピン杯 Copa Amputee

大阪の万博記念公園鶴見緑地球技場で毎年5月頃に開催されている大会になります。湧永製薬株式会社が特別協賛で入っている大会になっており、2022年現在で7回大会が開催されています。

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