特集

【アスリート対談・杉本美香】柔道着の洗たくから、環境問題を考える

杉本美香さん

汗をかくことの多いスポーツにとって、洗たくは切っても切り離せない関係。特に柔道などは「道着の洗たくが大変そう」というイメージを持つ人も多いスポーツです。こうしたスポーツ活動が、いつも使う洗剤を変えるだけで、少しでも環境改善に貢献できるとしたら、スポーツを楽しむ人たちにとっても気持ちのよいことではないでしょうか。

今回は、元柔道選手でロンドン五輪78キロ超級銀メダリストの杉本美香さんを迎え、サラヤ株式会社さんとの対談をお届けします。

人にも地球にも優しい商品を作ってきたサラヤ株式会社のヤシノミ洗たく洗剤は、ヤシの実由来の植物性洗浄成分から作られており、無香料・無着色。そして環境への影響にもこだわった商品です。スポーツにおける洗たくの問題を改めて考える機会に、是非お読みください。

サラヤ
あなたの身近にも!?サラヤってどんな会社?Sports for Socialのトップパートナーであるサラヤ株式会社(以下、サラヤ)。ボルネオやウガンダなどでの社会貢献活動に注目されがちですが、「そもそも商品自体が社会貢献になっている」ということもサラヤの特徴です。 今回は、コミュニケーション本部広報宣伝部の廣岡竜也さん(以下、廣岡)、秋吉道太さん(以下、秋吉)にお話を伺いました。...

「人と地球に優しい」ヤシノミ洗剤

ーー「ヤシノミ洗剤が人にも地球にも優しい」ということは知っている人も多くいらっしゃると思います。改めてその開発の背景を教えてください。

廣岡)ヤシノミ洗剤は、昨年発売50周年を迎えた商品です。元々は日本の高度成長期に起きた石油系合成洗剤による環境汚染に対し、環境にやさしい植物性の台所用洗剤を開発したことから始まり、現在は洗たく洗剤、柔軟剤、ハンドソープ、ハンドクリームなども販売しています。
おっしゃる通り、「人と地球に優しい」ということをコンセプトとして開発されました。

ーーサラヤさんの創業が70年前、ヤシノミ洗剤が50年前ということで、かなり早くから環境に対して取り組みをされている企業ですよね。

廣岡)以前はまったく関心をもたれることはありませんでしたが、近年の環境意識の高まりから注目もしていただいていますね。

杉本)サラヤさんは、ここ数年注目されている環境の問題に昔から取り組まれていて、すごい企業だなと改めて思います。本日いろいろお話聞けるのが楽しみです!

ラカントS
時代は『糖質コントロール』!ラカントSが作る現代のハイパフォーマンス「そもそも商品自体が社会貢献に繋がっている」ということが特徴のサラヤ株式会社の商品。カロリー0の自然派甘味料「ラカントS」について、サラヤの廣岡竜也さん(以下、廣岡)、沢目晃誠さん(以下、沢目)と、アスリートを栄養という点でサポートしている株式会社Cuore(以下、Cuore)の岸川侑平さん(以下、岸川)にお話を伺いました。...

“子どもたちへの影響”から気になった洗たく・環境

ーー柔道など、スポーツは特に洗たく物の量、回数が多いと感じています。気をつけていないと、知らぬ間に環境に負荷を与えていることもありそうですよね。

杉本)そう思います。

ーー杉本さんは先日ヤシノミ洗たく洗剤を使用してみたとお伺いしました!使ってみていかがでしたか?

杉本)本当に気になる点がいい意味で何もありませんでした。匂いも気にならず、汚れの落ちも心配なく使っています。
昔から私が洗たくで気になっていたのは、“匂い”に関してです。現役時代は、柔道着に使ういろいろな洗剤や柔軟剤を試していて、メディアの人たちから「杉本はいい匂い」ということで知られていました。(笑)

引退し、子どもたちと多く関わり始めたときに、肌への影響や頭痛、体調不良の子どもが増えている原因の一つに洗剤や柔軟剤があると知りました。未来の子どもたちにとっても大事なことだと知り、こうした洗たくや環境の問題には関心を持っています。

ーー何気なく生活してしまうと、なかなか気づかないところですよね。

杉本)ヤシノミ洗剤の台所用洗剤も使わせていただいたのですが、泡立ちは少なくても汚れがとても落ちている実感がありました。いままで泡立ちや香りなどの見た目で洗剤を評価してきていたなと思い返し、そのこだわりの姿勢がとても勉強になりました。

ーーそうした目に見えるもので判断するわけでなく、本当の意味での評価をしないといけませんね。

杉本美香さん

“白くする”ことがいいことではない?

ーー柔道は、道着が重くて洗たくも大変な印象もありつつ、回数も多く洗うものなのかなと思うのですが、実際のところはどうなのでしょうか?

杉本)たくさんしていました。まず、朝練があったら朝練のものを洗って、そのあと午前中、午後も柔道着を着たら、その都度洗たくしていました。小物やTシャツなどと一緒に洗いたくない気持ちもあり、1日4、5回洗たくすることもありましたし、もし洗たく機が使えなかったら手洗いで洗うこともありました。私は洗たくが好きなので苦ではありませんでしたが。(笑)

ーー海外遠征なども多かったですよね。

杉本)海外に行くと、匂いが残ったりその国特有の匂いもついたりしてしまうことが多かったです。海外の選手は香水で匂いを誤魔化すことも多いので、そうした香水の匂いが自分の柔道着についてしまうなど、大変でしたね。

ーー柔道着もたくさんたくさん持ってらっしゃいますよね。

杉本)そうですね。白だけでなくブルーの道着もあります。

ーーそうすると、“白くする”だけでよいわけではなくなります。

廣岡)ヤシノミ洗たく洗剤は出来るだけ洗浄に不要な添加物を入れず、基本性能を高めることにこだわっています。例えば、蛍光剤(蛍光増白剤)は汚れを落とすことはなく、光を反射する薬剤を繊維や汚れの上に塗りつけます。そうすると見た目は白く見えます。

杉本)え、目の錯覚だけでごまかしてるということですか?

廣岡)そうした表現が近いですね。例えば、そうした添加物が入った洗剤でブルーの道着を洗い続けると、“色褪せてくる”と思っている方が多いですが、それは違い、“どんどん白を塗っている”ので、褪せたような感じになってくるのですよ。

杉本)そうなんですね!初めて知りました。
白くなることなど、人間はそうした目に見えるもので判断しがちですよね。食器用洗剤でも、そうではなくて泡立ちは控えめでも綺麗に落ちている感覚がありました。

廣岡)多くの食器用洗剤は、洗浄成分濃度が約40パーセントに対して、ヤシノミ食器用洗剤はその半分ほどです。同じように使ったら、当然ヤシノミ洗剤は落ちないと感じてしまいます。
ですが、高濃度の合成界面活性剤を使用することは、油汚れを落とすのと同様に、手の皮脂やタンパク質を分解するため肌を荒らしてしまいます。さらに環境負荷も高くなります。弊社では、洗剤は汚れの度合いや洗い物の量などに応じて、必要な量を継ぎ足して使うことが大切だと考えています。ポンプ式ボトルを採用しているのは、そういった理由からです。

杉本)なるほど、すぐに落ちることがいいというわけではないのですね。

ヤシノミ洗たく洗剤ヤシノミ洗たく洗剤 600ml

環境・原料調達へのこだわり

廣岡)サラヤという会社は、70年前の創業から「天然素材を用いた商品開発」に取り組んでいます。今では「環境への配慮」というのは割と当たり前ですが、その思想が反映された代表商品がヤシノミ洗剤という商品になります。このヤシノミ洗剤も、昨年50周年を迎えました。

また、今当たり前に流通している台所用洗剤の詰め替えパックもヤシノミ洗剤が日本初です。使い終わったボトルを毎回捨てたら石油資源がもったいないし、プラスチックごみも増えます。今、プラスチックゴミが問題になっていますが、サラヤではこれももう40年前から取り組んでいるのです。

さらに、サラヤの商品で評価していただいているのが、15年ほど前から取り組んでいる、原料調達における環境問題への配慮です。
私たちも50年前に初めて商品を作る時は植物性だったら環境に優しいと思っていましたし、多分今も多くの方がそう思っています。

杉本)私も植物性=環境にいいという認識です。

廣岡)2004年にテレビの取材があり、「ヤシノミ洗剤のせいで、ボルネオの熱帯雨林が伐採されているのではないか」という話をされました。マレーシアにあるボルネオ島の熱帯雨林が、パーム油の原料となるアブラヤシの畑にするために伐採されているという問題が起きていたのです。
実は、アブラヤシからとれるパーム油は、85%が食用油として利用されているのですが、私たちがこれまで環境に優しいと思って作ってきたヤシノミ洗剤の一部にも使われています。排水だけでなく、“原料の調達”に対しても意識をもつことが大切だと気付かされました。
「ボルネオの環境破壊は、ヤシノミ洗剤が原因というのは間違い」なのですが、量の大小に関係なく責任があります。この問題に気づいてから、熱帯雨林の保全活動をはじめました。

サラヤの洗剤に込められた熱い想い-vol9-ヤシノミ洗剤の原料のひとつであるパーム油の生産地、ボルネオの自然や動植物の保護活動をしている「ボルネオ保全トラストジャパン」理事を務められている中西宣夫さんのインタビューを3回に分けてお届けします。ボルネオで多くの動物を追いやっているアブラヤシ。そのアブラヤシから採れるパーム油を商品の原料として使う会社の中で唯一、テレビ番組のインタビューを受けたサラヤでしたが、番組を見て「サラヤのせい」と勘違いした視聴者から多くの苦情が寄せられました。その誤解を解くため、サラヤが始めた活動を紹介する番組の続編が作られたのです。...

杉本)すごいことですね。自分の商品選びの考え方にも影響がありそうです。

こうしたお話は、聞かないとわからないことがやはり多くあると感じました。自分自身、こうした環境問題のことを考えずに漠然と選択していることがたくさんあると思います。
だからこそ、こうした話を聞けたときに、自分自身も使ってみて、よかったらそれを多くの人に知ってもらいたいという気持ちがやはり大きくなります。

なおさら、スポーツ関係ですと、遠征などで世界にも行って、海外の状況や意識に触れる選手も多いです。そういうことも踏まえながら競技をすることで、また違う意味で人として成長できるのではないかなとすごく思いましたね。

ーーご自身の現役時代の意識はいかがでしたか?

杉本)世界の環境問題より、世界に勝ちたいという想いしかなかったですね。
そういう面ではやはり疎かったと思うところはあります。引退してから知ることも多く、いまの選手たちにはもっと現役中にいろいろなことを知ってほしいし、知るべきだと思います。今回のお話も、私自身から現役の選手に“知るきっかけ”として伝えていきたいですね。

廣岡)ありがとうございます。

杉本)環境問題があっても、「そういうことがあったんだ。」 としか思わず、環境・動物・違う国などに対しては、考えないことが当たり前でした。ですが、アスリートの性分として、その過程や理由は知りたくなるものです。引退してからは、現役中にもう少し競技以外の人と出会いたかったというところと、視点を変えればよかったかなというところは多くあります。社会を全然わかっていませんでした。

廣岡)知ることはすごく重要ですよね。私たちも2004年まで、ボルネオの問題のことは知らず、自分たちが作っている商品はいいと思っていました。プロダクトはちゃんと配慮してるし、排水は環境を汚さないと思っていました。その問題を知り、その上で取るアクションについて考えた結果、いまのアクションにたどり着いています。こうしたことをもっと皆さんにまずは知っていただければと思います。

ボルネオゾウの救出プロジェクト|サラヤ×Sports for Social-vol7-これまで、ヤシノミ洗剤の原料のひとつであるパーム油の生産地、ボルネオの自然と動物たちを保護するサラヤの活動を紹介してきました。今回は、オランウータンと同じように絶滅の危機に瀕すると言われているボルネオゾウ救出に取り組む話です。...

信念を持ってやっていく

廣岡)今回、こういった機会に杉本さんに話を聞いていただいたきましたが、自分たちで伝えられる範囲は限られているので、知っていただいた方や興味持っていただいた方が、ボルネオやパーム油に関する話をして、関心持ち、話が広がっていくことで循環ができると思います。

杉本)サラヤさんが最先端を行っているということに感動しました。
人々は、今あるものに対して何かオリジナルを付け加えて、「相手よりもここが優れている」と言う傾向があると思います。
私自身、引かれたレールに乗るのが大嫌いな性格なので(笑)、何かまわりがびっくりするようなことを、誰よりも芯を持ってやっていきたいという気持ちを持っています。サラヤさんのように、信念を持って事業をしていらっしゃるというところにとても共感しました。
サラヤさんの商品をこれから広めていきます!

ーーお二人とも、ありがとうございました!

RELATED POST

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA