新電力おおいた株式会社は、Jリーグ・大分トリニータのスポンサー企業です。
前編では、同社の代表取締役社長の山野 健治氏(以下、山野)に、会社設立の経緯や理念、大分トリニータとの取り組みについて伺いしました。後編では、新電力おおいたが描くサスティナブルな未来や大分トリニータへの想いを伺います。
町にサッカーチームがある意味
ーー山野社長ではなく、大分トリニータの熱血サポーターの山野さんに質問です。自分たちが住む町にプロサッカーチームがある意味とはなんでしょうか。
山野)そうですね。論理的に考えたり、言語化したことはなかったのですが、逆にトリニータがなかったらどうなんだろう?って考えると。「こんなにつまらない生活はないな」って感じます。
特にコロナ禍になって、無観客で試合が出来なかった時期はそれを改めて気づかせてくれましたよね。
そして、スポーツクラブがあり、試合が行われることで人や企業の交流が生まれます。
トリニータは大分県を活気づける力があると思っています。
ーーまさになくてはならない存在ということですね。今後、新電力おおいたと大分トリニータで一緒にやりたいことや、目指したい姿を教えてください。
山野)シンプルにいうとトリニータはサッカーで、私たちは電力で大分を元気にしたいっていう、そういうことですかね。
両方とも理念は似ていて、大分の地域に活性化できることをというのが前提にあります。
新電力おおいたの理念は明確で、「地域内経済循環」をし、大分県の外に出ていた電気代を、大分県の中に落とし込んで、県内の中で経済が回る仕組みをつくっていきたいです。
あとは、環境問題への取り組み。ここは私たちが取り組まなければいけないテーマだと感じています。
自然エネルギー普及は会社の使命
ーー環境問題への取り組みについて詳しく教えてください。
山野)経済と共に力を入れる必要があるのが「自然エネルギー」の普及です。地球温暖化は社会問題の中でも非常に重要視されている分野です。九州地域も自然エネルギーを増やすために太陽光を導入していますが、系統がパンクして新規に太陽光発電が出来ない、、、なんて問題も抱えています。
親会社のデンケンは、エレクトロニクスメーカーなので、電気をIT制御する部分を得意としています。これらの技術をもって自然エネルギーをもっとたくさん入れようと努力をしているところです。
研究開発も複数していて、例えば電気自動車の活用です。電気自動車は止まってる時は蓄電池と同じ様に電気を貯めたり出したりできるので、それを施設につないでおくと電気とその太陽光の波を吸収することができます。昼間余っている太陽光の電気を活用できるわけです。
ちょっと難しい話になってしまいましたが、このような、必ず世の中のためになる実証実験研究開発をやってるんですよ。
ーーSDGsの中でも「環境問題」は非常に重要視されています。新電力おおいたもそうですし、競合他社がクリーンエネルギーなどの電気プランも出し始めてると思います。
山野)まずは親会社が保有している太陽光の供給からスタートしています。再生可能エネルギーの環境価値を証書化できますが、それを当てることによって再生可能エネルギー100%の電気のようなメニューが組めます。そのプランは「RE100でんき」という名前のプランなのですが、今年の5月からのリリースしてます。その電気を選ぶことで、CO2排出量を実質ゼロに抑える事ができるということですね。
https://pps-oita.jp/re100-denki/
ーー非常に素晴らしい取り組みだと思う一方、地球のためや環境のためだからと言って電気を変えるという消費行動に繋がるのかという疑問があります。この部分についてどうお考えでしょうか。
山野)実は、RE100でんきの契約者の方の半分ぐらいは電気自動車をお持ちの方です。電気自動車を購入するタイミングでRE100でんきにプランを変えて頂くと、電気自動車を購入する補助金が40万円から80万円に増えます。(RE100でんきのように環境省に登録しているプラン)
電気自動車に買い替えたとしても、火力発電で発電した電気(石炭火力で発電した電力)で走行してしまうと、それはゼロエミッションではないです。
だから私たちのRE100でんきを使って、再エネ100%で充電してもらったら完全にゼロエミッションになります。国はそういったカーボンユートラルに繋がる行動に対して補助金を出す動きが増えてきています。
ーー何も知らないと再エネはコスト増なイメージでしたが、必ずしもそういうことではないんですね。
山野)そうですね、あとは、元々の電力会社から切り替えていただくだけで安くなる場合もあるので、一度どんなプランに入っているのかを確認して、ライフスタイルに合わせて見直しすることをおすすめします。
ーー再エネに変えるだけでも立派な社会貢献ですよね。大分トリニータもソーシャルアクションを活発にされていますよね。
山野)ユニバーサルスポーツを含めて継続的に活動されているイメージがあります。
(コロナ以前の話ですが)私たちも環境教育の一貫で、スタジアムで「ソーラーカーをつくる」教室をやっていました。
楽しく学ぶ、楽しくる知るという点でとても良い取り組みだと思っています。
ーーいいですね、子どもたちにまず理解してもらうっていうのは大事ですよね。
山野)はい。それに、子供たちにしてみればそれで夏休みの宿題が終わると・・・(笑)
大分県、そして、大分トリニータへの想い
ーーここまで色々と質問させていただき、ありがとうございました。最後に、大分県の方、大分トリニータサポーターに向けて伝えたいことがあればお願いします。
山野)そうですね。やはり、一番伝えたいことは、最初に話をした「地域内経済循環」です。電気の地産地消と言っても聞いたことない。でも、少しお話をすると、皆さんとても納得感をもっていただけます。
大分県は地元愛が強いと思います。県外から来た方も大分県を好きになる人が多い。トリニータの選手もそうです。
だからこそ、地域の経済を循環させ、大分県をさらに発展させていく。伝統を守りつつ、新しい取り組みをする。
私のサラリーマンキャリアもだいぶ先が見えてきたので、これは最後のライフワークだと思って突き進めたいと思っています。
ーー熱い想いありがとうございました。