「Bリーガー×スキルコーチ×Youtuber」として前人未到のチャレンジを続ける三遠ネオフェニックスの山本柊輔選手。彼が普段から愛用する、「Allbirds」は世界一は履き心地がよく、環境に優しいサステイナブルな製品を開発しています。
挑戦を続ける山本選手と、Allbirdsの共通点とは何か?
今回、Sports for Socialでは、Allbirdsのマーケディングディレクター蓑輪光浩氏と山本柊輔選手の対談企画を3回に渡ってお送りします。
ーーーーーーー中編ーーーーーーー
「アメリカで山火事を見て、地球環境問題を考え始めました」
山本 お恥ずかしい話なのですが、僕自身も半年前くらいまで地球温暖化が進んでいるということを深く理解していなかったので、雑誌や本などでやばいということに気づき、興味を持ったという形ですね。
蓑輪 地球温暖化について知ってもらうことがまず大切ですね。アスリートも、気になる社会貢献に関する情報を発信することができると素敵です。セカンドキャリアを考えていく上でも、環境問題に関心を持つことは大切だと思います。
山本 毎年バスケでロサンゼルスに行くのですが、そこでは山火事が普通にあってアメリカ人も普通のことだと受け入れていたんですが、それが世界で当たり前になってしまったらどうなるんだろうと。異常気象は、地球温暖化から来ているというのを知ってもらえることがまず大事だと思いますね。
蓑輪 実は、SDGsに関する理解度は高校生や大学生の方が高いんですよ。
山本 そうなんですか?!
蓑輪 アスリートが子供達に教えに行く際に、地球温暖化とかについて話せたらまたそれは素敵ですよね。
山本 そうですね、せっかくバスケをやっているのだったらスポーツをするだけでなく影響力を活かして何かを発信する選手が増えて来て欲しいですし、僕自身もずっとそういう選手でありたいなと思います。
蓑輪 バスケットはインターナショナルなスポーツで、ユニバーサルな問題を伝えられる素晴らしい競技だと思います。
山本 蓑輪さんは何かスポーツされていたんですか?
蓑輪 サッカーをしていました。サッカーもインターナショナルなスポーツで、そこで仲良くなった人は今でも議論とかするので、スポーツが繋げてくれる輪は大切だなと思います。
山本 そうなんですね。議論は海外だと日常的に行われるんですか?
蓑輪 初めは英語は話せなかったです。彼らは平気で政治の話をしているのですが、日本の政治の話を聞かれた時に全然答えられなくて、とても恥ずかしくて。日本にも宗教や政治をオープンに話せる環境があると良いですね。
山本 NBA選手はその辺りは進んでいて、レブロン・ジェームズなどは1バスケ選手以上の存在になっていますし、日本だとそういう話はしづらい空気がありますね。ただチームの外国籍の選手は、政治などに自分の意見を持っていて日常的に話しています。
「日本だとその商品がエコだからとか、サステイナブルだからとかと言った理由で買う人は2割〜3割くらいですが、欧米だと7割くらいですね。」
山本 Tシャツを着た時に肌触りが良くて感動しました。
これは何で作られてるんですか?
蓑輪 メリノウールと、ユーカリの繊維と、ずわい蟹の甲羅と脚のところを溶かして作っています。甲殻類の甲羅とかは世界で最も捨てられているセルロースの1つなので、本来であれば捨てられるものから作っていて、素材の約5%は捨てられてるものを使っています。Allbirdsとしては洗濯の回数を出来るだけ少なくする事を目指していて、これからの未来を考えると自然由来の物を取り入れた会社が必要ですね。サステイナブルについて聞くと、10人が10人違う事を言う。それぞれが色んな意見を持っているということですね。日本だとその商品がエコだからとか、サステイナブルだからとかと言った理由で買う人は2割〜3割くらいですが、欧米だと7割くらいですね。こう言ったギャップがまだあります。Allbirdsは、カーボンフットプリントと言って、靴を素材から組み立てて洗濯して使うまでに、どれくらいの温室効果ガスを排出しているかを計測して表示しているんですが、まだピンと来てなくて。昔は食品に含まれるカロリーも書かれていなかったけど、今は当たり前になっている。靴もそう言った将来がくると良いなと思います。こういうところでも地球温暖化を意識していますね。
山本 若いスポーツ選手もデザインだけでなくて、環境も含めて好きなブランドを決められるようになれば良いですね。着心地も良くて、地球にも優しいのは良い形なんですけどね。
蓑輪 そうですね。オールバーズだけでなく他のメーカーもサステイナブルで作っていって欲しいですね。特にヨーロッパの人はそういうことに対してセンシティブなので、世界はどんどん変わっていくかもしれないですね。
山本 今やろうとしている活動として、試合で入れた得点やアシストの数だけ植林する活動をしていきたいなと思っています。世界的にアスリートを通じてのそういった活動が増えてると聞くのですが、蓑輪さんが思われている事などありますか。
蓑輪 自分のパフォーマンスを何かに結びつけて、何かに返していこうというのは大変素晴らしいと思います。僕が知ってる限り、そういった活動をしているアスリートは何人かいますね。幼い頃の環境がシビアであればあるほど、そういったコミュニティに積極な選手は多いですね。練習がオフの時に施設に行ったりとかで、エネルギーをもらって帰ってくる選手もいますね。
「バスケットボール選手という職業はボーナスステージ」
山本 僕も選手と話しててビジネスのことを話す事はあるんですが、環境について話すことはあまりないですね。兄などバスケット以外の仕事をしている人と話す機会も多くて、その人達とは環境問題について話しますね。スポーツ選手も選手同士で環境問題について話していくのが大事だと思います。
蓑輪 アメリカにいた時に山火事を見たんですよね?
山本 そうですね、ロサンゼルスから移動する夜にバスの外がとても明るくて、周りの人に聞いたらロサンゼルスの山は日常的に燃えていると、気にする様子もありませんでした。調べると、気温が上がり環境の変化が山火事の原因だと分かりました。地球温暖化が進んでいるのを実感しましたね。まだまだ僕が出来る活動としては大きくは無いのですが、何かを世の中のためにするといった意識は常に持ちながらキャリアを進めていく中で徐々に大きくしていきたいと思います。
蓑輪 とても素敵ですね。僕が今日、山本選手に会いたいなと思った理由は苦労されているからです。キャリアの苦労、子供たちの未来を考える苦労など。若い山本選手が世の中に対してアクションしていることがすごいと思います。今は植林してます、環境問題を考えています、ということが周りに言いづらい世の中じゃないですか。そんな事より本業に専念しろなどの声もあると思います。その中で真正面から向かって行ける事が非常に素晴らしいと感じました。
山本 ありがとうございます。海外ではそういう選手が多いのかなと思います。僕は色んな人から影響を受けています。1人僕が尊敬しているアメリカ人選手がいて、その人の影響が大きくてアメリカに渡りました。アメリカでバスケをやっている際、彼は貧困層の方々に対する取り組みをしていて、ホームレスの方にハンバーガーやチキンを買って配っていました。日本では見たことのない光景だったので最初は驚いたんですが、なぜそんなことをしているのか聞いた時に、一人のアスリートの前に一人の人間だから、社会にできることはしたいと話していました。最初はそういう人もいるんだなと思うだけだったが、身近にそういう人がいたおかげで色んな視野が持てたなと思います。
蓑輪 そうやって自然にアクションできるのは何でなんですか。
山本 そうですね、自分の中でバスケットボール選手という職業はボーナスステージで色んな人が注目してくれますし、Bリーグもできてリーグとしても大きくなっています。それを活かさないといけないと思っています。正直、最初はプロになれると思ってなくて色んな運や自分の努力でプロになって、Bリーグの2部リーグから1部リーグにも上がれました。ある意味ラッキーだなと思いながら、その環境を活かして色んなことにチャレンジしていきたいと思います。