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アビスパ福岡から生まれる未来への一歩|ステハジプロジェクトから繋がる企業・学生・クラブの形

アビスパ福岡

Jリーグ・アビスパ福岡の社会貢献活動の枠組み『FUKUOKA TAKE ACTION』。株式会社OSGコーポレーションとともに行うのは、「使い捨ては恥ずかしい」から生まれた『ステハジプロジェクト』です。全国各地で広がりを見せるこのプロジェクトは、福岡の地では『FUKUOKA TAKE ACTION』の一つとして多くの企業、学生、ファン・サポーターを巻き込みながら行われています。

サステナブルな取り組みがJリーグクラブを介して地域に広がっていく。

そんなアビスパ福岡での『ステハジプロジェクト』について、株式会社OSGコーポレーション 神垣匠さん(以下、神垣)、アビスパ福岡株式会社 佐川諒さん(以下、佐川)、株式会社阪急阪神百貨店 博多阪急 岩崎亮さん(以下、岩崎)、福岡大学 古賀沙彩さん(以下、古賀)にお話を伺いました。

アビスパ福岡 FUKUOKA TAKE ACTION
38社が参画!?福岡を変える『FUKUOKA TAKE ACTION!』とは?|アビスパ福岡Jリーグ・アビスパ福岡は2023シーズンより地域貢献への想いを持ったパートナー企業との共創型パートナーシップ『アビスパ福岡 オフィシャル・シャレン(社会連携)パートナー』を新設し、地域貢献プロジェクト『FUKUOKA TAKE ACTION!』を立ち上げました。 アビスパ福岡だけでなく、スポーツ界としても新たな取り組みとなる本プロジェクト。今回はそんなプロジェクトの発起人でもあるアビスパ福岡の佐川諒さん(以下、佐川)にお話をお伺いしました。...

SNSから生まれた社会貢献プロジェクトとサッカークラブとの出会い

ーーまずはOSGコーポレーションさんが進める『ステハジプロジェクト』について教えてください。

OSG 神垣)『ステハジプロジェクト』は、「使い捨ては恥ずかしい」という意味と同時に、「サステナブルをはじめよう」という意味も持たせたプロジェクトです。弊社は水を取り扱う会社として、水を“買う”時代からマイボトルを活用する新しい日常を作りたいという想いがあり、「ステハジ」を合言葉にこのプロジェクトを進めてきました。

アパレル業界やホームセンターなど、私たちの想像以上にこのプロジェクトのパートナーが広がっている中、プロサッカークラブであるアビスパ福岡さんとご一緒するというのはプロジェクト開始当初はまったく予想していなかったことでした。
休日にSNSを見ていたところ、「困ったらアビスパを使ってください!」という投稿を見つけ、これはおもしろそうだと思いその場で連絡したことがきっかけでしたね。

ーーSNSからの繋がりなのですね!アビスパ福岡さんはどのようなきっかけでステハジプロジェクトに参加しようと思ったのでしょうか。

アビスパ 佐川)『FUKUOKA TAKE ACTION』を2023年2月に立ち上げ、まだ実績もないタイミングにも関わらず連絡をいただいたことがまず嬉しかったです。
OSGコーポレーションさんの環境に対するアクションやステハジプロジェクトについてお話しいただき、アビスパの特徴である“関わる人の多さ”を活かし、多くの方の意識変容につなげることができるのではないかと考えました。

ーーこうして2023年からスタートしたアビスパ福岡との『ステハジプロジェクト』では、どのような活動を行ったのでしょうか?

佐川)活動を考えていく中で、OSGコーポレーションさんから「学ぶ」・「体験する」・「伝える」の3つのステップが大事だとご提案いただきました。
「学ぶ」に関しては、企業の経営者、管理職、サステナビリティ担当者に向けたステハジセミナー、「体験する」ビーチクリーン活動、そして「伝える」ホームゲームでのSDGsブースの出店を昨シーズンを通して行いました。

2024シーズンでは、セミナー参加者もより増え、ビーチクリーン活動は雨天だったにも関わらず80名以上の方が集まりました。昨年の活動の結果、アクションを起こしたいと思う人が格段に増えているのだと実感しています。

神垣)昨シーズンで体験したことを、佐川さんをはじめとしたアビスパ福岡の皆さんが“伝えて”くれたからこそ、やってみたいと感じる企業や一般の方が増えたのではないかと思い、その影響力はすごいと感じています。

アビスパ福岡「ステハジ」企業向けセミナーの様子

「私たちにも何かできないか?」『ステハジプロジェクト』の魅力

ーー博多駅にある百貨店、博多阪急さんも『FUKUOKA TAKE ACTION』のメンバーであり、『ステハジプロジェクト』に参加する一員です。

博多阪急 岩崎)私たち博多阪急は、“消費するものを販売する企業”ですので、サステナブルの観点から見ると別の形で社会に貢献をしなければと思っていた中、アビスパ福岡さんの『FUKUOKA TAKE ACTION』に参加しました。できることには全部参加しよう!と思っていたので『ステハジプロジェクト』が立ち上がった際には自然と手を挙げていましたね。

ーー実際参加されていかがでしたか?

岩崎)昨年のセミナーやビーチクリーン活動を通して、「身近なところでこんなに多くのゴミが流れてきているんだな」と実感し、「私たちにも何かできないか?」と考えさせられました。そこで、1日数万人のお客様がいらっしゃる私たちの店舗でこの取り組みを発信させていただき、その発信を通して数組のお客様が実際に今年の活動に参加してくださいました。
また、一緒にビーチクリーン活動を行ったお客様が店頭で私に声をかけてくださったり、従業員内でも参加者が増えて環境への意識が高まるなど、社会課題の啓蒙の一部に関与させていただいているのだと強く実感することができています。

アビスパ福岡博多阪急では特設ブースを設けビーチクリーン活動をPR

ーー福岡大学の古賀さんは、授業の一環としてのアビスパ福岡さんへのインターンシップが、今回の関わりのきっかけだと伺いました。

福岡大学 古賀)ベンチャー起業論という授業で、アビスパ福岡さんのインターンを通して企業の問題点を見つけ、それを解決するためのプランを提案するという課題でした。ですので、博多阪急の岩崎さんと同様に、『FUKUOKA TAKE ACTION』に関することはすべて参加しました。

『ステハジプロジェクト』におけるビーチクリーン活動も、“ビーチクリーン”自体は知っていましたが参加するきっかけがなく、一歩踏み出せないでいた私にとって「アビスパ福岡がやっているから」という理由で参加できたことは非常に大きなことでした。このことは、アビスパ福岡さんが関わる最大の魅力なのではないかと感じています。

アビスパ福岡

学生主導の「ミライプロジェクト」を通して伝わること

ーー「伝える」という観点では、福岡大学の古賀さんたち学生が主導した「ミライプロジェクト」が昨シーズンの活動において大きな役割を果たしていると感じます。どのような形でこのプロジェクトは進んでいったのでしょうか?

古賀)アビスパの佐川さんから、「FUKUOKA TAKE ACTIONの新しい企画を福岡大学の学生で考えていいよ」とお話をいただき、どのような形で取り組むかを考え始めました。

私たちの授業での別のインターン先で不登校の子どもたちが通うフリースクールがあり、そこに訪問したときに感じたのは、「ただ学校に通っていないだけで、社会進出のきっかけがなくなったり社会に馴染めなくなってしまうのはすごくもったいない」という想いでした。その子たちの社会に出るきっかけづくりや将来の道を広げるための活動にしたいと思い、『ミライプロジェクト』という名前でプロジェクトを立ち上げました。

ーー『ミライプロジェクト』では実際にどのような活動をされたのでしょうか?

古賀)私たちが『ステハジプロジェクト』や『FUKUOKA TAKE ACTION』に参加する中で、実際に体験してみないと知らなかったことが数多くあると感じ、体験型の活動を12月3日のホームゲームのブースとして企画しました。そこでは、『ステハジプロジェクト』によるビーチクリーン体験、博多阪急さんのクリスマスオーナメント企画、ボッチャ体験を実施し、フリースクールの子どもたちには運営に携わってもらったり、一緒に活動を体験してもらったりしました。

アビスパ福岡

古賀)実は最初は、子どもたちが楽しんでくれるのかとても不安でした。ただ、活動を通して参加したみんなが分け隔てなく関わっている姿を見て、体験型の活動にしてよかったなと感じましたし、それをアビスパ福岡のホームゲームで行うことで特別な1日にすることができたんだと実感しました。

ーー素晴らしい活動ですね。古賀さんたち大学生の活動を見て、企業としての立場である岩崎さんと神垣さんはどのように感じましたか?

岩崎)学生の皆さんの本気の姿を見て、私たちも本気で向き合わなければならないと感じました。どのようなプレゼンをしたら企業に協力してもらえるのか、大人の心を動かすためにどう情熱を伝えるのかなど、大人としてさまざまなアドバイスもさせていただきました。どうにか彼女たちの想いを実現させたい!と思ったのが一番ですね。

神垣)アビスパ福岡さんと活動を始めたときには、正直こんな出会いがあるなんて思ってもいませんでした。OSGとして「やってみないとわからないからチャレンジしよう」という文化もあり、学生の皆さんの熱い想いに応えるために出展にご協力させていただきました。

アビスパ福岡ミライプロジェクトブース内での「ビーチクリーン体験」の様子

広がる輪・繋がるバトン

ーー今後に向けての皆さんの想いについてお伺いさせていただければと思います。

古賀)昨年1年間、『FUKUOKA TAKE ACTION』に関われたことで自分たちの社会問題への意識の向上や、企業と関わる経験を得ることができるなど、いままで知らなかったことを知るきっかけになりました。私たちは今年度はまた違うインターン先でそれぞれの活動を行うのですが、『FUKUOKA TAKE ACTION』や『ステハジプロジェクト』は今後も続いていくと思うので、さまざまな角度から引き続き関わっていけたらと思いますし、『ミライプロジェクト』に関しても継続していければと思っています。

岩崎)私たち博多阪急では、「従業員だけでなく、お客様にも輪をひろげていきたい」ということに尽きると思っています。我々の強みは店舗に足を運んでくださるたくさんのお客様です。アビスパ福岡さんの名前を借りながら、私たち博多阪急がただモノを売る企業ではなく、地域の活性や世の中の課題解決にも向き合っているということを知ってもらいつつ、お客様の日々の生活に少しでも影響を与えることで意識変革に役に立てればと思っています。

神垣)OSGでは、『ステハジプロジェクト』を通して一人ひとりの意識変容が多く起こることを目的としています。アビスパ福岡さんのシャレンパートナーという枠組みをもっともっとフル活用し、いろいろな企業さんとの出会いや企画を通して広めていきたいなと想いっています。

佐川)2023シーズンからスタートした『FUKUOKA TAKE ACTION』は、まだ2年目の途中ですが輪の広がりをものすごく感じています。企業の枠を超えたり、企業と学生の枠を超えたりと、「一つのプロジェクトを通して新しい価値を生み出す」というのはシャレン!の素晴らしい部分だと思っています。
アビスパに相談したら楽しい、一緒に社会課題を解決したいと思っていただき、そこに“ビジネスとしての価値も作れる”となれば、本当に社会を変える一歩になると考えています。

こうした活動を通して、「日本一社会課題が集まるサッカークラブがある町・福岡」を実現したいと思います。

ーーありがとうございました!

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