編集担当からのメッセージ
難しそう、なかなか上手くいかないのではないか、と思われがちなコンポスト作り。
今回は、コンポスト作りで壁にぶつかったと感じる瞬間、その時どうすればいいのかを紹介してくださいました。
「コンポストは、環境に優しい誰でも出来る小さな循環生活」
みなさんも気楽な気持ちで始めてみませんか?
自分なりのコンポストができる!
LFCコンポストを始めて2年目、LFCコンポストアドバイザーの受講をしながらコンポストの勉強中です。コンポスト作りは、栄養と資源の循環を身近に実感でき、生ごみを燃やさないことでCO2の削減にもつながります。今日お伝えしたいのは、「コンポスト作りに失敗はない」と言うことです。途中、様々な上手くいかないと感じることはありますが、継続すると必ず自分なりの堆肥ができます。「自分なりの」と言うのは、投入する生ごみが違うので出来上がりが栄養たっぷりの堆肥もあれば、栄養が薄いのもあります。どれも土と混ぜて堆肥として使えます。途中の不安や不明点を現状の写真入りでLINE相談もでき、具体的な手立てをもらいながら最後までゴールできます。
白カビが発生?
私自身が上手くいかないと感じたことを思い出すと、初めは白カビでした。生ごみを投入し始めて数日後に、一面が白っぽくなっていたのです。「これは失敗?」と思い早速LINE相談をすると、分解が始まっている証拠で混ぜ込んでしまうと問題ないと分かりました。
次は、生ごみの分解が進まず、コンポストバッグが日ごとに重くなるととても不安になります。そんな時は、微生物の好む油物や糖質の生ごみを投入したり、温度の低い冬は微生物の活動が低調になるため、ペットボトルに暖かいお湯を入れてバックの中に入れたりします。人間も同じで冬はこたつがあると具合が良く、熱過ぎると火傷をします。あたたかい!くらいが元気になるのが、人間も微生物も同じ感覚のように思います。また、水分量が原因の時が良くあります。水分量は60%ほどが良く、乾燥している時は水を少しずつ足しながら掻き混ぜるのを繰り返すと分解が進みます。
解決に向けて出来ることが色々あります。
虫のことを知る
虫も上手くいかないと感じる原因でした。自然と付き合うためには虫は付き物と思っても、相手を知らないと心のダメージが大きくなります。LFCコンポストのバックには特注のファスナーが付いているので、他のコンポスト容器に比べて虫が発生しにくくなっています。でも、もちろん発生することはあります。私の場合は、アメリカミズアブとショウジョウバエの経験があります。コナダニは見たことがありません。それらの虫は、人には無害で噛まないことを知るとまずはひと安心です。アメリカミズアブの白い幼虫は、分解を進める救世主と言われ、コンポスト仲間に、アメリカミズアブの幼虫が発生したと伝えると、「羨ましい」とコメントが返ってきます。どうしても処分したい時は、コンポスト基材と一緒にビニール袋に入れて、口をしっかり縛って天日干しにすると数日で死滅します。またコンポストバックに全てを戻して再スタートできます。他の虫もそれぞれ対処の仕方があります。コンポストの中に残った虫の死骸はタンパク質として良い栄養になります。本当にコンポスト作りに失敗はないのだと実感します。
じっくり熟成させる
最後にコンポスト作りに大切なのは、生ごみの投入を止めた後です。熟成期間を3週間ほどしっかり持つことです。熟成をしないと、堆肥として使う時に植物の根っこを傷める原因になります。熟成期間中は週に1、2回混ぜます。乾燥している時はペットボトル500mlの水を入れて掻き混ぜます。すると、気持ちの良いフカフカの堆肥ができます。分解し難い卵の殻や骨は残りますがそのままで大丈夫です。堆肥として使い始めてから、土の中に埋めておくとゆっくりとその栄養が植物に活かされていきます。
「わたし失敗しないので!」ではないですが、コンポスト作りに失敗はありません。出来た堆肥については、自分の庭で植物や野菜作りができると理想的ですが、場所や時間がない方には、出来た堆肥を送ると代わりに新鮮で安全な野菜をもらえる仕組みもあるので、つくづくやらない理由はないように思います。
私のもっぱらの興味は家の庭にコンテナで野菜づくりをすることです。初心者向けのベビーリーフやラディッシュをトライして、採れたて新鮮野菜を食べられる幸せ!を経験しました。LFCの「ベランダ菜園講座」を受けて益々やる気になって、参考書籍でも情報を集めながらイメージトレーニングするのも楽しい時間です。
次回は、コンポストに興味はあるけど、食事が外食やコンビニ弁当が中心で生ごみが出ない生活の方へのご提案もしたいと思います。
毎日、地球全体でみると膨大なゴミの量が出ています。コンポストは、環境に優しい誰でも出来る小さな循環生活です。私がこのようにコンポスト作りについて伝えることで、誰かの小さなソーシャル活動の一歩につながればと思います。
京都在住/50歳代女性