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チアの本場アメリカへの挑戦を経て|チアダンサー鈴木実優が伝えるチャレンジの意義

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千葉ジェッツふなばしのフライトクルーチアリーダーズ『STAR JETS』から、本場アメリカNBAチームへの挑戦をこの夏に行った鈴木実優さん。2チームのトライアウトにチャレンジし、いずれも合格には至らなかったものの、1チームでは最終選考まで残りました。

目指していたものを手に入れるために、実優さんはどのような努力をしていたのか?また、成功を掴み取るまでは至らなかったものの、アメリカで得たものは今後の実優さんのチアリーダー人生にどう繋がるのか?赤裸々な想いをインタビューしました。

鈴木実優
舞台は世界へ!チアスピリット溢れるチアリーダー鈴木実優の次なる挑戦日本のバスケットボール界からNBAへの挑戦。渡邊雄太選手や八村塁選手など、プレイヤーとして確固たる地位を築いた選手もいる中、「チアダンサー」として本場・アメリカに挑戦するのは、2023-24シーズンまで、千葉ジェッツのチアリーディングチーム『STAR JETS』に所属していた鈴木実優さんです。 「JUST BE」(ありのままで)という言葉を大切にする実優さん。新たな挑戦の始まりを前にしたその想いをインタビューしました。(渡米前にインタビュー)...

決意から2年。アメリカへの準備はまず英語から

ーー実優さんがアメリカへの挑戦を意識し始めたのは、挑戦から2年前、千葉ジェッツのフライトクルーチアリーダーズ『STAR JETS』の在籍時だと伺いました。どのような準備をされていたのでしょうか?

実優)アメリカへの挑戦に向けては、語学のことやダンスのこと、ビザのことなど、さまざまな準備をしました。

語学面では、留学経験のある千葉ジェッツのキャラクターであるマスクドオッチーに相談したり、映画を英語の字幕で観たり、自分の中では“耳を慣らす”ことを重視して学習していました。正直、向こうでチアリーディングをする上で、どのような英語が必要なのかという明確なことはわからなかったので、日常会話に困らないようにすること、自分のプレゼンテーションができるようにすることを大事にしていました。日常会話が多く出てくる『ゴシップガール』をよく観たりとか(笑)。

いざアメリカに行ったときには、緊張もあって最初は難しい部分もあったのですが、準備していたことは出せたのかなと思います。

ーー英語でのプレゼンテーションも準備されていたのですね。

実優)ゴールデンステート・ウォリアーズのオーディションでは、実際に面接まで進みました。いわゆる就職活動のような面接というよりは、ラフなグループ面接ではあったのですが、質問を聞きとる、まわりの子が答えているところからヒントを得る、という意味でリスニングはかなり役に立ちました。
先輩ダンサーからも、「自信がなさそうに話すのが一番ダメ。もし間違っていても気持ちが伝わるように大きな声と笑顔で話して」とアドバイスをもらい、簡単な英語でもハキハキと話すことを意識しました。

パレンテ
コンタクト社長がスポーツを通じて伝えたいこと【社長対談 吉田忠史×山﨑蓮 前編】コンタクトレンズ通信販売『レンズアップル』と見えるをデザインするブランド『WAVE』を運営する株式会社パレンテは、Bリーグ千葉ジェッツふなばし、Jリーグヴィッセル神戸、eスポーツチームRushGamingなど、多くのスポーツチームの協賛をしています。株式会社パレンテの吉田忠史代表取締役社長(以下、吉田)は、「コンタクト社長」と呼ばれ、千葉ジェッツブースターやヴィッセル神戸ファン・サポーターにも親しまれています。 そこには、“広告の露出”だけではない、「コンタクトレンズの会社がスポーツを通して伝えたいこと」が存在しています。 社会貢献活動に対しても積極的に取り組むその想いについて、Sports for Social代表の山﨑蓮(以下、山﨑)との対談から紐解いていきます。...

日本でどのように“アメリカの魅せ方”を準備するか?

ーーBリーグで活躍しながら、NBA、NFLといったアリーナ規模や魅せ方の違うところへのチャレンジの準備をする。そうした点では難しさもあったのではないかと思うのですが、いかがですか?

実優)海外のチアを目指している人向けのレッスンがあったり、NFLやNBAがオフのときに日本人ダンサーのワークショップに参加したりしながら学んでいました。こうした場では技術を学ぶと同時に、コネクションを作ることもできます。アメリカへのチャレンジに関する情報は多くネット上にあるわけではなかったので、SNSも活用し自ら積極的に情報を取りにいくようにしました。

ーーBリーグからアメリカに挑戦する人はまだまだ珍しいというお話もあったかと思いますが、ワークショップには実優さんのほかにどのような人がいたのでしょうか?

実優)アメリカンフットボールのXリーグでチアをされている方や、学生も多くいました。Xリーグは歴史も長く、そこからNBAやNFLに行った方も多くいるので、よりビジョンが見えやすく、チャレンジしようとする人も多いのではないかと思います。Bリーグも人気のスポーツイベントで、チアにとっても環境が整っている素晴らしいリーグなのですが、逆にある意味Bリーグの活動で満足できてしまうこともあります。それもいいことではあるのですが、アメリカに挑戦するかどうか、という点ではそうした点がリーグによる違いにもなっているのではないかなと思っています。

ーー実優さんは、スポンサー企業さんなどの支援を受けてアメリカへの挑戦を行いましたが、現地での2ヶ月間、どのようなお金がかかるのでしょうか?

実優)渡航費も含めた現地で生活するお金、オーディション、その前のレッスン費用などが主な支出です。オーディションに関してはお金のかからないチームも多くあり、私が受けた2チームはお金がかかりませんでした。レッスンに関しても、アメリカは日本に比べてレッスン費用が安かった上、飛び込みでも受けられるレッスンがあったり、スタジオ会員でなくても受けられるものがあったり、ダンスが生活に馴染んでいることを感じさせられました。

費用についての一番大きな負担は、渡航費でしたね。円安の影響などもあり、非常に大きな出費になりました。また、アメリカ挑戦までの期間はチアのみでの収入では生活基盤が保てないこともあり、収入を得ながら準備を進めていくことも苦労しましたね。

ーー準備のところで他に苦労したところはありますか?

実優)ビザの部分は課題を感じました。基本的にはアメリカで就職先やチームが見つかることが前提になるのですが、チームによってはビザがあることがオーディションの条件になることもあります。
私は今回、ESTAで行ったのですが、滞在期間が3ヶ月の制限があったり、入国の際にも「女性ひとりでアメリカに何しに来るのか?」という確認で非常に時間がかかりました。そうした意味で、ビザがないことでストレスのかかる状況になってしまったなと思います。

前編
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いざ、アメリカへ|感じる“チームの色”の違いとは?

ーーアメリカではどんなスケジュールで動かれていたのでしょうか?

実優)オーディションの1ヶ月前に入国し、1ヶ月間PREPクラスというオーディションのプレクラスを各地で受けました。その後、サンフランシスコに行って初めてのオーディションを受けました。
滞在期間、どのようなことができるのか、どこでレッスンが受けられるのかなど、これまでできた人脈を活かしながら教えていただいたりしてスケジュールを組みました。調べてもなかなか出てこないですし、情報収集はやはり大変でしたね。

アメリカ

ーー実際にアメリカで味わった、文化の違いやダンスの違いなどを教えていただけますか?

実優)各チームでの”色の違い”をより強く感じたことと、自己主張が本当にはっきりしているなということです。他人を見るのではなく、「自分がどう踊りたいか」「自分はどう映っているのか」という点をすごく意識しながらダンスをしていると感じます。加えて、相手のことも素直に褒める言葉が自然に出てくることもすごいなと感じますし、それは自分に自信があるからこそなのではないかと思っています。日本のチアの中でも褒め合う文化はありますが、まったく知らない人から褒められるのはなかなかない経験でした。

ーー日本のパフォーマンスも、Bリーグの発展もあり年々レベルが上がっているのではないかと感じます。それでも、アメリカの現地で体感した“パフォーマンス”の部分で違いはあったのでしょうか?

実優)パフォーマンスの部分では、大きな違いを感じました。アメリカの方が上、というわけではなく、アメリカではより“チームにフィットするかどうか”を見られると感じました。「このチームにこの人が入ったらどうなるのかな?」という目線で、イメージや雰囲気など、言葉では表せない部分を見られている気がしています。

日本以上にアメリカはチアダンサーの母数も多く、よりその傾向があるのかもしれません。ただ、日本人ならではの協調性の部分や、より細かな表現ができるということは強みに感じました。私自身国内で活動しているときにはあまり強みだと思っていなかった部分ですが、そうしたことが当たり前にできることは確実に強みになります。

Miyu

ーー実際に『ゴールデンステート・ウォリアーズ』、『ポートランド・トレイルブレイザーズ』のオーディションに参加しました。それぞれのチームの印象はいかがでしたか?

実優)ウォリアーズは、ホームタウンとするサンフランシスコ自体がもともとアジアンカルチャーに理解のある地域であることもあってか、協調性や繊細な部分がより評価されるチームでした。実際に選考もファイナルまで行くことができましたし、時間に対してもすごくきっちりしていて、日本人がなじみやすいチームだと感じました。

一方で、トレイルブレイザーズは、より「自分のスタイルはこうだ」とそれぞれがアピールする印象がありました。大人数で踊る場面でも、参加者の振りはバラバラだったとしても「私はこう見せたい」とダンスを通じて自己表現することが求められました。外見も多種多様なメンバーで、外見の違いも含めて“見た目がありのままで素敵だよ”ということを表現できるチームでもあるのかなと思いました。

ーーNBAだけでも多くのチームがある中で、チームそれぞれの個性があるということですね。

「Just Be」を胸に、これからもチャレンジを

ーー今回、チャレンジとしては残念ながらうまくいかなかったわけですが、ご自身で足りなかった部分を分析するといかがですか?

実優)トレイルブレイザーズのオーディションでは、ウォリアーズでファイナルまでいけたこともあり、みんなで合わせるスタイルのまま受けに行ってしまったことを反省しています。「このチームに必要とされているものは何か?」を研究し、その場でも柔軟に判断していくことがポイントだったと感じます。

また、英語力の部分も“いかにストレスをなくすか”という意味でもっと力をつける必要があると感じました。自信をしっかりと持って、“自分はこうなんだ”ということをしっかりと発信できるように戦っていかないといけないと感じています。
まわりの目を気にすることなく、「自分はこうしたい」という人が光って見えました。蹴落とすというかたちではなく、1人1人自立しているみたいな意味でそうなれたらいいのかなっていうのは思います。

ーーまさに実優さんの目指す『Just Be』の世界ですね。これからの実優さんのプランを教えてください。

実優)2月にふたたび渡米し、NFLのオーディションを受けようと思っています。またダンススタイルもNBAと変わってくるので、チーム研究も含めてしっかりと準備していきたいです。また、英語力やビザの面など、ダンス以外のストレスがなるべくかからないような準備をしていきたいですね。

NBAは“ダンサー”という意味合いが強いですが、NFLはまさに“チアリーダー”です。試合中もサイドラインで応援するなど、ダンスで魅せるだけではなく、応援のところでチームの力になること、また、1人の女性として憧れの的になることもより求められます。いくつか受けたいチームも決まっているので、実現できるように頑張ります!

ーーありがとうございました!

アメリカでチアダンサーを目指す鈴木実優さんを応援!

見えるをデザインするブランド『WAVE』を展開する株式会社パレンテは、「世界をミテイル人」を応援するプログラムとしてプロチアリーダー鈴木実優さんをサポートしていきます。

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