「2万で足りるのか?」
ある有名なバスケットボール漫画における、有名すぎるこのセリフ。これを実行し、世界からも注目集める存在となった選手がいます。それは、アルバルク東京に所属している「#96 CUE」。正確無比なシュートを武器にするこの選手は、実はトヨタ自動車が開発した“ロボット”です。
渋谷区の中学校の授業で、『探究』の時間として、先生が教える授業から、子どもが学びを創る授業として新設された『シブヤ未来科』で、アルバルク東京が『CUE』、そしてマスコットキャラクターをロボットにした『ルークロボ』に関する授業を行いました。
シブヤ未来科?探究学習ってなに?
小・中学校における総合的な学習の時間は、2022年の新・学習指導要領から『探究』の要素が加えられました。変化が激しく、不確実な世の中を生き抜いていく上で、自ら考え、実行する力が求められるこの時代。子どもたちには、ただ先生から教えられるのではなく、自ら“学びを創造する”ことが求められています。
東京都渋谷区では、この探究学習の時間を多くの“企業”とともに作ってきました。大手企業からベンチャー企業まで、その立地を生かしてさまざまな角度からのコンテンツを企業とともに提供することが可能になっています。
そんな中で、渋谷区をホームタウンとするアルバルク東京も、小学校での防災ダンスの授業など、数多くの取り組みを進めてきました。
“なぜ”桜木花道ロボができたのか?
今回は、アルバルク東京が実施した授業を取材します。話のメインは、トヨタ未来創生センターが開発する『CUE』や『ルークロボ』など、ロボット開発のお話でした。
バスケットボールチームが“ロボット”に積極的に取り組んでいる話は、「鉢山中学校が理数教育重点校になっていることもあり、是非お願いしたいと思っていた」と校長先生の小幡政明さんがおっしゃるように、興味深いテーマでした。
渋谷区立鉢山中学校 小幡校長にインタビュー
ーー『シブヤ未来科』について、渋谷区の学校としてはどのように捉えていますか?
小幡)探究学習のプログラムとして始まったものですが、最終的には1人1人が自分の興味をもったことをやっていくという形が理想です。ですが、何もない状態で「探究学習をしましょう!」と言われても、なかなか最初から1人で進めることはできません。学校側から生徒に、いろいろな刺激を特別授業として提供する中で、今回はアルバルク東京さんに来ていただきました。
ーー特別授業では、どのようなことを重点的に行うのでしょうか?
小幡)SDGsということが根本にはあり、カードゲームなどを用いて一人ひとり自分ごとに思えるテーマを考えていくことから始めています。夏休みにレポートとして自分たちで調べたり、渋谷区の企業さんとの連携でさまざまなことに継続的に取り組んでいます。
ーーこうしたアルバルク東京さんのような授業は、生徒たちにとっても貴重なものなのではないでしょうか?
小幡)そうですね。生徒たちに対して新しい刺激を与えていくことは、学校としても頑張らなければいけないところです。渋谷区という立地もあり、多くの企業様と連携ができる環境は非常にありがたいですね。
ーースポーツチームと学校の連携というのは、今後広がりそうですか?
小幡)渋谷区ではパラスポーツにも力を入れていて、先日はシッティングバレー体験会も学校で行ったり、車いすラグビーの試合観戦にも伺いました。さらに、今回のようなスポーツだけでなく『ロボット』という要素が掛け合わさったような経験ができるといいなと思います。“トヨタの人の授業”といってどんなすごい話か身構えるよりも、バスケットボールやキャラクターのルークなどをきっかけにお話を聞くと、聞く側のハードルも下がりますよね。
ーーお話の中で印象に残ったことはありますか?
小幡)「動かないと変わらない」という言葉が印象的でした。それに、「大人は楽しいよ!」と言っていただけたのは、生徒たちにも印象に残ったのではないかと思います。
ーーありがとうございました!
(写真提供:アルバルク東京)