地域に根ざした企業が、地元のクラブを応援するということには、どんな意味があるのでしょうか。
創業150年を迎える品川リフラ株式会社(2025年10月より社名変更、旧品川リフラクトリーズ株式会社)は、岡山県備前市に岡山工場を構え、地元で働く社員とともに、地域とのつながりを大切にしてきました。
そんな同社が、Jリーグクラブ・ファジアーノ岡山のスポンサーとなった背景には、社員一人ひとりのクラブへの想いや、岡山という土地への愛着がありました。
応援する気持ちが、地域と企業をつなげ、働くことへの誇りへとつながっていく——。
一方のクラブもまた、そうした企業の存在を「地域の仲間」として、心強く感じているといいます。暮らし、働き、応援し、支える。想いが重なり合う現場から、地域共創の今を見つめました。
インタビュー対象
- 品川リフラ
- 津田宏幸さん(耐火物事業本部生産部門 西日本総務部長)
- 西尾竜さん(耐火物事業本部生産部門 岡山工場第3製造室)
- 出射一貴さん(耐火物事業本部生産部門 原料資材部)
- ファジアーノ岡山
- 内富基陸さん(地域コミュニケーション推進部)

応援するということが、地域と会社をつなぐ|ファジアーノ岡山との出会いと応援の原点
ーー岡山工場内随一のファジアーノ岡山ファンである西尾さん。応援するようになったきっかけは?
西尾)私が大学生のとき、当時まだファジアーノ岡山が地域リーグを戦っているときに初めて試合を観にいきました。普段から海外のサッカーをよく観ていたので、プレーのスピードなど満足行かない点もありましたが、それ以上に“現地で観る楽しさ”を感じました。アットホームな雰囲気もありながら、必死に戦う姿はとても印象に残っています。
「次来たときにも勝てたらこんな嬉しさを味わえるんだろうな」と思いながら応援を続け、いまでは生活の柱の1つになっています。
ーー津田さんはいかがですか?地元ご出身でありながら、勤務地としては県外で長く住まれていたと伺いました。
津田)私としてはサッカーにはあまり興味がなく、正直2021年にこちらに赴任し、弊社が協賛させていただくという話題になったときに初めてファジアーノ岡山の存在をしっかりと認識しました。そこから試合の情報だけでなく、いろいろなことを知る中で、地域の子どもたちに対する活動など、そうした子どもたちに夢を与える活動も含めてすごく好感を持っています。
出射)私は小学校6年生のときに初めてスタジアムに行きました。サッカーの試合はテレビで観るものと思っていたのですが、地元でレベルの高い、熱量の高い試合が観られるんだと感じたことを覚えています。
ーー昨シーズンはプレーオフを経てJ1に昇格、そして今シーズンの活躍に繋がっています。
西尾)これまで積み重ねてきたものが発揮できているのではないかと感じています。長く応援してきた身からすると、うまくいかない時期もありながら地力をつけ、サポーターの輪もじわじわと広がり、熱量も上がってきました。実績のある選手や将来有望な若手選手が岡山に来てくれるようにもなりましたし、これまで積み上げてきたものの歯車がバッチリあったことでいまの躍進に繋がっているのかなと感じています。
津田)とくに今シーズンは、ホーム試合の日になると岡山駅前が赤いユニフォームを着用した方でいっぱいになっています。テレビでもファジアーノ岡山を観る機会が増えて、“岡山のみんなで応援している”という実感が湧きますね。

社員の想いがつなげたファジアーノ岡山へのスポンサー
ーーこの岡山の地で長く事業されてきた品川リフラとして、ファジアーノ岡山への協賛の決定。このときはそれぞれどんな気持ちでしたか?
西尾)入社以降、同僚に「一緒にファジアーノ岡山の応援に行こう!」と布教活動を地道に行ってきた成果かなとも思っています(笑)。みんなで1つのものを応援して、それが話題になり、コミュニケーションツールになればと思っていたので、スポンサーの話を聞いたときには嬉しかったですね。
出射)これまで会社として、こうしたスポンサー活動はなかったのでビックリしたというのが本音ですね。当社の事業内容では、“品川リフラ”という会社名が一般の方の目に触れる機会はあまり多くないので、まわりの方に社名を知っていただくようになるのではと思いました。
ーー採用活動にも関わっている津田さんにとっては、岡山で知名度が上がるという点ではプラスになるのではないかと思います。
津田)そうですね。当社の主力製品である耐火物に関してはメジャーではない分野だと思っていますし、ファジアーノ岡山さんへのスポンサーはそうした中でも私たちのことを知っていただく大きなチャンスだと思っています。

地域の仲間として、クラブを支える意義|クラブ担当者・内富さんが語る、企業連携の力
ーーここからはファジアーノ岡山の内富さんにお話を伺います。2025シーズンの状況はいかがですか?
内富)J2に昇格したばかりの頃は負けることも多かったチームが、西尾さんがおっしゃっていたような“積み重ね”の力で少しずつ勝てるようになり、今年はJ1リーグでもホームゲームのチケット完売が続くなど、嬉しい状況が続いています。皆さんが支えてきてくれたものが大きく花を開かせているシーズンなのかなと思っています。
ーー品川リフラさんが支えてくれていることは、ファジアーノ岡山さんにとってどんな意味を持ちますか?
内富)さまざまな企業にクラブは支えられていますが、“岡山県全域”をホームタウンとして活動してるクラブとして、備前地区に拠点を構え、歴史のある品川リフラさんからご協賛いただいたことは本当にありがたいことです。
ーー品川リフラという会社にどのような印象を持っていますか?また、ファジアーノ岡山がどんな影響を受けているのでしょうか?
内富)150年という歴史のすごさをひしひしと感じています。私たちは来年が設立20周年ですが、立ち上げ当初から関わっているメンバーも在籍しています。では歳月を経て創業時を知るメンバーがいなくなったときに会社がどんな形になるのだろう?ということは少し考えてしまいますよね。なのでこれからも品川リフラさんのように長く想いを繋いできた企業に学び、「子どもたちに夢を!」という理念を変わらずに持ちながらクラブがこの先50年、100年、150年と続いていってほしいなと思います。

「誇り」から「未来」へ。150周年と社名変更の先にあるもの
ーー品川リフラクトリーズは150周年を迎え、社名も『品川リフラ』に10月から変更されます。
津田)150年という長い歴史を持つ企業で働き、少しでもその歴史の一部になれていることは誇らしいですよね。
一方で、歴史に甘えるのではなく151年目から先の将来を見据えてまだまだこの企業を進化させていかないといけないと思っています。その意識を持つための社名変更でもあると思っていますし、それを社員全員が感じて前向きに会社を盛り上げていけるようにしたいですね。
西尾)150年の“積み上げ”は確実にあるので、社名変更はそれを進化させる、飛躍させる機会にもしたいですよね。
出射)社名が短く聞き取りやすくなるので、地域のみなさんにとっても今まで以上に親しみやすい存在になれたらいいですね。
ーー10月18日(土)には、ファジアーノ岡山のホームゲームで『品川リフラマッチ』として冠試合が開催されます。
西尾)あの会場で、自分たちの会社名が大きく出るということは嬉しいです。実際に見たら誇らしい気持ちになることは間違いないと思います。社内でも今シーズンの盛り上がりを見て、これまで以上にファジアーノ岡山のことを気になっている人もいると思うので、この機会にたくさんの人に観てもらいたいです!
津田)採用活動をしていても、まだまだ“耐火物”自体を知らない学生も多いので、その説明から入ることが現状です。こうした貴重な機会に、「そもそも耐火物ってなんだろう?」や「品川リフラってなんの会社だろう?」と知っていただけるような場も作りたいです。
耐火物は、私たちの生活を支えているさまざまな製品、その素材を作るために必要なものであり、生活の基盤・インフラの一部といっても過言ではありません。日常生活では触れる機会のない耐火物ですが、もっと身近に感じてほしいですし、さらには品川リフラという会社がどのように社会に役立っているのかを知ってほしいなと思っています。
出射)同世代と話していて、仕事について説明すると理解はしてくれるのですが、もうちょっとわかりやすく視覚的・感覚的にも伝えたいなという想いはありますね。是非当日はファジアーノ岡山ファンの方々に品川リフラのブースにも寄っていただきたいです!
ーーありがとうございました!
10月18日(土)は品川リフラデー!
2025年10月18日(土)のファジアーノ岡山vsセレッソ大阪は『品川リフラデー』として開催されます。

当日は品川リフラのキャラクターである『リフラくん』とファジアーノ岡山のキャラクターである『ファジ丸』のコラボグッズがもらえるキャンペーンも実施します!
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