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「“ささえる”からはじまる社会貢献」千葉ジェッツふなばしが目指す社会貢献プロジェクト

2020-21 Bリーグチャンピオンの千葉ジェッツ。彼らが行う『JETS ASSIST』という活動をご存じですか?
地域に支えられてきたチームだからこそ、これからは自分たちが地域をささえよう。そうして始まったJETS ASSISTは、すでに多くの方を巻き込み、ジェッツとともに地域を支える数多くの方々の姿がそこにはあります。
今回は、JETS ASSISTを通して行われた活動や千葉ジェッツふなばしの目指す社会貢献活動の形について、千葉ジェッツふなばし広報・イベント担当の芳賀様(以下:芳賀)に伺いました。

“ささえる”からはじまる社会貢献

ーーJETS ASSISTとして活動をスタートした想いを教えてください。

芳賀)JETS ASSISTは2019年9月に前代表の島田氏(現Bリーグチェアマン)によって立ち上げられました。これまで自治体も含め地域の商店街やブースターに助けられて活動してきた中で、天皇杯3連覇など競技面での強化も進み、観客も5,000人近く集めることができるようになり、企業にも少しずつ力がついてきました。地域にこれだけ支えられてやってきたチームだからこそ、これからは自分たちが地域を支えようという気持ちで「“ささえる”からはじまる社会貢献」をスローガンに『JETS ASSIST』をスタートしました。

地域の課題を解決するために、私たちが地域のハブとして、ブースターや地域の方を巻き込んでいきたいという想いがあります。自分たちを通して、どのような課題があり、どのようなことで困っている人たちがいるのか知ってもらい、ファンや地域の人、企業パートナーと一緒に地域を助ける活動をしていきたいと考え活動しています。

ーーJETS ASSISTは、あえて『ささえる』社会貢献と謳っていますが、通常の社会貢献活動とのニュアンスの違いをどう感じていますか?

芳賀)県内にも全国にも多くのスポーツチームがある中で、存在はしているが自治体や地域に助けを求めているようなチームも存在しています。そのようなチームだと地域に応援されず、自分たちスポーツチームも地域を支える側でないと、応援・歓迎されないと感じていました。お互いにギブアンドテイクで私たちは私たちにできる行動をし、お互いに共存していくために、社会貢献や地域貢献の活動をしっかり行っていこうと思っています。しかし、スポーツ振興や福祉施設への訪問など、私たち以外のチームでも多くされていました。なので私たちは目線を変えて、本当に社会が困っている課題を重視してやっていこうと。自治体や NPO法人、地域の方々に、今どのような社会課題があるのか、どのようなことで困っているのかを聞いて、そこにアプローチしていくという形で動いているのが、多少他のチームとの違いであり、「ささえる」の根幹だと思っています。

フードロスをささえる

ーー実際の活動についてですが、いままではどのような取り組みが多かったですか?

芳賀) 今シーズンは特にフードロスに関する活動が多かったと思います。フードバンクふなばしさんという団体が、経済的に厳しい状況にあるご家庭にフードを集めて支援していましており、私たちもJETS ASSIST1年目から参加させていただいていました。活動を進めればすすめるほど、船橋市内でもこんなにも貧困・格差があるのかと感じるようになりました。今年は特に新型コロナウイルスの影響で拍車がかかっていると聞いています。

また、市民の方々もフードロスを課題として感じている方が多かったという印象を受けています。中学生が船橋のフードロスについてご提案してくれたこともありました。子ども未来会議という企画で、千葉ジェッツが好きな男の子とフードロスに興味がある女の子が、千葉ジェッツとフードロスを解決するようなアイデアを考えてくれました。船橋市からこのお話をいただいて、JAや地元の企業と一緒に規格外野菜などを使った肉まんを作らせていただきました。

ーーJETS ASSISTがあるからこそ、一緒に何かできないか?と考えてくれた活動ですね。

芳賀)フードロスに関して、千葉レッドハッシュドビーフという商品も作りました。自治体経由やパートナー企業様からも私たちも協力させてくれませんか?という話をいただくようになり、地産地消やフードロス問題を考えて作った商品です。パートナー企業さんとしても廃棄しなければいけない商品について他に利用できるものはないのかと考えていて、寄付したいとの声もいただけるようになっています。

ーー周りの皆さんに聞いていく中で出てきた課題が結果的にフードロスの活動につながっているのですね。

芳賀)私自身もフードバンクふなばしさんに足を運んで一緒に箱詰めなどをすることもあるのですが、経済的に余裕がない人が船橋市にこれだけいて、深く知れば知るほど、「自分たちが知らない状況があるんだ」ということが分かりました。また、「千葉ジェッツを通してより多くの人に知ってもらわない」といけないという使命感も出てきました。2021年5月頃に行ったフードドライブは、入場制限により試合は前年の半分程度の入場者でしたが、フードドライブの参加者は前年と変わリませんでした。しかも、昨年2020年は約200kgの食料品を寄付して頂いたのですが、今年2021年は1.5倍で約300kgほどの集まり、量としては前年を上回りました。ブースターの方だけでなく、試合は見に来ていないが食料の寄付だけをしにきてくれている方もいました。気持ちはあるけどできないという人が多くいる中で、自分たちが地域のハブになり、知ってもらえれば活動の可能性が広がっていくのだな、と感じることができました。

地域のハブを目指して

ーー今後千葉ジェッツふなばしさんが目指していく社会貢献の形を教えてください。

芳賀)パートナー企業さんの中でも何かやりたいけど何をしていいかがわからないという企業さんも多い印象です。そうした方々には、「千葉ジェッツと一緒に何かをやれば地域のためになる」と感じてほしいなと思っています。SDGsという言葉をよく聞くようになり、千葉ジェッツさんと何かできないですか?という話を多くいただくようになりました。私たちが地域課題をリサーチして、そのような地域課題と支援したいという人たちをどんどん結びつけていけるような存在になっていくことが一番だと感じます。

私たちも1団体で活動するには限界がありますが、千葉ジェッツの広報的な部分やブースターを巻き込んでいく力をうまく使っていきたいですね。周囲を結び付け、私たちと一緒にやることによって、活動を1から10にすることもできれば、10から100にすることもできると思います。私たちが何かを生み出すこともあるとは思いますが、それこそ『ささえる』立場として様々なコミュニティを作っていくことが大切であると感じています。

JETS ASSISTとしてコミュニティを大きくし、地域と連携して社会課題を解決していくことが私達の目標です。

ーーありがとうございました!

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