スポーツは子どもの成長に欠かせない大切な要素をたくさん持っています。
また、子どもがスポーツに触れることで、保護者の方にも価値のある時間にもなる。
勝利の喜びや楽しいという純粋な気持ちはもちろんですが、今回お話を伺った株式会社イースリーの取締役リテール事業部長 竹原和雄さん(以下、竹原)は「技術力の向上だけでなく人間力の向上にも作用する。そして、スポーツは人々を繋ぎ幸せを育むきっかけになる」とおっしゃいました。
「学ぶ」から「育てる」へ。
株式会社イースリーの提供するサービス「サカイクライフスキルプログラム」について、そしてスポーツの力を通して実現したい社会についてお聞きすることで、スポーツが子どもに与える良い影響を紐解いていきます。
ライフスキルプログラムで、人間力育成を
ーースポーツにまつわる社会課題や、 子どもとスポーツに関する保護者の課題を解決するために現在イースリーさんが行っている取り組みを教えてください。
竹原)弊社では数多くのサービスを提供していますが、なかでも「サカイクキャンプ」というサッカーのトレーニングキャンプに力を入れています。このキャンプ内では独自の“ライフスキルプログラム”をパッケージとしており、WHOが定義しているライフスキルをスポーツのコーチングを通して伸ばしていこうという取り組みです。ライフスキルとは、「スポーツを通じた人づくり」のこと。人間力や生きる力といった、いわゆる数値化が難しいスキルに関して、このプログラムを活用することで客観的なデータに落とし込むことができるものになっていて、慶應大学の東海林祐子准教授に監修をしていただき、実現しました。
このサービスを作ったのは保護者の皆さんからのアンケートで、技術的な向上や勝利よりも、人間力育成といった、教育的な要素を非常に求めてる声が多かったことがきっかけです。
スポーツをプレーすることでそういったスキルが身につくということはよく聞く話ですが、その定義は曖昧ですよね。だからこそ弊社では、子どもにもわかりやすい数値で可視化することに力を入れました。
ーー客観的なデータを実際に目にすることができると、保護者の方も安心しますよね。キャンプのリピートなどにも繋がるのでしょうか。
竹原)そうですね。ライフスキルプログラムをパッケージとして導入している「サカイクキャンプ」の参加者のみなさんからも、嬉しい声を多くいただいています。
子どもたちはキャンプを純粋に楽しんでくれていますし、実際にリピーターも多いことから保護者も満足してくださっていると考えています。
「サカイクキャンプ」をスタートしたばかりの頃は、やはり競技力志向の方が多かったのですが、現在はキャンプのコンセプトを理解してくださりライフスキルの重要性に共感をして参加してくださる方が増えている印象です。
今ではこれがキャンプの強みにもなっていますし、参加してくれる子どもたちも自分の成長が数値として現れるので、いろいろな気づきや成長を実感できるのではないかと感じています。
ーーキャンプに参加する子どもたちの成長はいかがでしょうか。保護者の声やアンケート結果などから得た気づきはありますか?
竹原)皆さんから「キャンプから帰ってきたときに 「ありがとう」という感謝の言葉を以前よりも多く口にするようになった」という声は、私たちの耳にも多く届いています。
ライフスキルプログラムの中にある「感謝の心」というスキルの成果かなと感じていますし、ほかにも「私が言わなくても自分の脱いだ服をきちんと洗濯機に入れてくれるようになった」など、ささいな変化かもしれませんが、保護者の皆さんからしてみるととても大きな変化もあったとの声をいただきます。
ーー子どもたちの“生きる力”が育つきっかけには、どういったものがあるのでしょうか。
竹原)“信頼”が生きる力を向上させる一つの鍵だと考えています。もちろん時には指示するようなコーチングも重要ですが、信頼して子どもに任せることで子どもたちは自然に考えて動くようになります。
例えば、大人ってついつい先回りして子どもたちが取り組みやすいように進めてしまうことがあるじゃないですか。そうした少しの先回りが、子どもたちの成長の芽を摘んでしまうこともあると感じていて。安全面はしっかりと大人が配慮しながらも、子どもたちを信頼して任せる 。そんな環境を作ってあげることで、生きる力は徐々に成長していくと実感しています。
スポーツが社会を変え、人を育てる
ーー小学生年代に向けて、クラブチームを運営するにあたってどんな点が課題だと感じられていますか?
竹原)我々はスクール運営しか行っていませんが、クラブチームもやはりサービス業なので、ビジネス面での課題は多いかと思います。選んでくれる人たちがいて、月謝をいただくことで成り立つ事業なので、そのお金に見合う価値を提供できているかは常に意識すべきポイントかもしれません。
事業者側が考える価値を一方的に押し売りしても意味がないので、保護者の方々や子どもたちにどう感じていただくか、これが一番大切ですよね。
例えば、一般的にスポーツのクラブチームを選ぶ上で、よくある価値基準は、「勝たせること」「上手くさせること」だと思うのですが、私たちが提供しているのはそこがメインではありません。
子どもが夢中になってサッカーを楽しんでくれること、それによって子どもの内面的な成長を導いていくこと、そういった側面を競技の結果以上に大切にしています。
ですが、それをクラブの価値として伝えていくのは、まだまだ難しい部分かもしれません。そうした目に見えないスポーツの価値を可視化していくこと、価値と感じてもらうためのコミュニケーションは私たちも課題に感じている部分です。
ーー今後の展望について教えてください。
竹原)3つあります。
1点目は、僕らがこれまでやってきたことを、サッカーだけじゃなくて、オールスポーツとして広めていきたいということ。フットサル事業からスタートし、現在はサッカー中心になっていますが、最終的にはすべてのスポーツを通して社会課題解決へと繋げていきたいです。
2点目は、私たちが20年間培ってきたスポーツの力を、一般の人たちにも還元していくということ。
私たちがこれまで向き合ってきたのは、スポーツをプレーしている人やそれを支える人たちが中心だったんですが、この影響の輪をもっと広げていきたいと考えています。
現在取り組んでいる「ケガゼロプロジェクト」(フィジカルチェックを一般企業に導入したり、行政と連携をして一般の方々にもサービス提供している)などもそれに当たりますが、今後はスポーツの力でスポーツ課題を解決していくだけではなく、スポーツの力で社会課題を解決していきたいと考えています。
そして3点目は、スポーツの価値を追求していくことです。
価値を感じられる人を、スポーツをプレーしている人たちだけに留めるのではなくて、スポーツの価値を社会課題の解決に繋げていく。曖昧な感覚論ではなく、スポーツをやってない人にも、スポーツの価値というものをきちんと理解してもらうこと。
そのためにも、スポーツの価値を追求し、創造し続けることが重要です。これこそが、私たちが今掲げている「スポーツ価値創造Company」というビジョンにも繋がっています。
子どもだけじゃない。人々を繋ぎ、幸せを育むきっかけに
ーー子どもたちへ伝えたい想いはありますか?
竹原)とてもシンプルな想いなのですが、今スポーツプレーしている子どもたちに対しては、生涯スポーツを楽しんでほしいです。途中で競技も変えてもいい、ときには挫折したっていい。でもスポーツを楽しいと感じる心は忘れないでほしいですし、大人になってもなんらかの形で関わり続けてほしいんです。
というのも、日本のスポーツって学生時代にやるようなものになってしまっていると感じていて。全国大会に出場することや勝つことが最終目標になってしまいがちじゃないですか?そういった学生時代にやりきるものではなくて、「なぜそのスポーツをやっているのか、やりたいと思ったのか」「スポーツを通してどんなことが得られるのか」を感じながらプレーしてほしいなと思っています。
そこはやはり指導者や親の関わり方が非常に重要になると思うので、こういった課題の部分もしっかりと発信していきたいと考えています。
ーー子どもの想いはもちろんですが、やはり続けるためには保護者の理解や協力も必要不可欠ですよね。
竹原)最近では子どもの野球離れやサッカー離れといったニュースもよく耳にしますし、子どもにスポーツをさせたいけどやらせていない保護者も増えているのかもしれません。
チームによっては当番や送迎など、さまざまな負担が発生するものですし、保護者の皆さんの「自分の週末の時間を大事にしたい」という思いもあると思います。人付き合いの煩わしさもあるのかもしれません。
でも、親が子どものスポーツに関わることはデメリットばかりじゃないんです。
いざ関わってみると、その地域で新しくコミュニティが作れたり、子どものスポーツをきっかけに新しく得られることもたくさんあります。子どもに関われるということ自体がすごく幸せな時間だと再認識できたり、自分はプレーするわけじゃないけれど、子どものスポーツに関わることで人生がより豊かになる。
このように、捉え方によっては価値のある時間になるんです。関わる大人も一緒にスポーツを楽しむことができ、スポーツの価値を感じるきっかけにも繋がります。そういったことが価値として認識してもらえるように今後も活動を続けていけたらと思っています。
ーーありがとうございました。
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リコーリースはサステナビリティ経営を推進しており、環境・社会・経済との調和を大切にしています。その上で、“スポーツ指導”の現場で起きていることは身に沁みましたし、スポーツを通じた共生社会の実現を目指した取り組みに感銘を受けました。また、多くの子どもたちがスポーツを通して競技力だけでない、人生で大切なものを育んでほしいと思っています。
小学生年代のスポーツスクールでは、まだまだ現場運営や制度面まで手が回らず、特にお金まわりの事務作業(月謝の集金等)に対して指導者が時間を取られてしまい、指導へ注力できていないこともあると思います。私たちリコーリース株式会社では、そういったスクールの事務作業をサポートできる集金代行サービスの提供を行っており、指導者がより“子どもたち”にフォーカスできる環境を整える役割を担っています。そうした面から、未来を支える子どもたちのスポーツ環境をより良くしていけるようご協力して参ります。
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