人と人とのつながりを大切にし、「信頼で選ばれる会社」を目指してきた株式会社長野ダイハツモータース。
2025年に創業65周年を迎える同社は、地域の暮らしとともに歩みながら、「モビリティで想いを運ぶ」新しい挑戦を続けています。
信州ブレイブウォリアーズやチアリーディングチーム『JASPERS(ジャスパーズ)』との共創を通じて生まれたのは、「思いやり駐車場」や「親子ダンスワークショップ」など、地域の笑顔をつなぐ支援の形。その根底にあるのは、車を売るだけではなく、“人の温もりを軸に地域の未来を動かしたい”という想いです。
今回その歩みについて、取締役の和田知大さん(以下、和田)をはじめ、信州ブレイブウォリアーズの協賛を担当する服田佳孝さん(以下、服田)、北島憲之さん(以下、北島)、柳町由佳里さん(以下、柳町)にお話を伺いました。
※サムネイル:2024年12月21日に撮影されたものです。
「人が人を呼ぶ会社」を目指して、人の温もりからの信頼づくり
ーー長野ダイハツモータースは長い歴史を持つ会社ですが、和田さんはどのような想いで地域に根ざした会社づくりを進めているのでしょうか。
和田)一番大切にしているのは「お客様から選ばれ続ける会社でありたい」という想いです。数字や売上ももちろん重要ですが、その根っこにあるのは“信頼関係”です。そういう意味では、「人が人を呼ぶ会社でありたい」という想いも大切にしています。
ーー信頼関係をベースにした「人が人を呼ぶ会社」とは、具体的にはどんな会社をイメージしていますか?
和田)お客様がSNSや口コミで紹介してくれたり、働く社員自身も「自分の会社を友達に紹介したい」と思えるような会社です。現代はモノやサービスをどこでも買えて代替品もたくさんあるからこそ、「この人から買いたい」とか「あのお店で買いたい」と人の温度を感じていただけるような会社を目指しています。
ーー人との関わりを大切にしているのですね。「この人から買いたい」と思われる魅力的な人とは、どのような人でしょうか。
和田)「信頼できる誠実な人」ではないでしょうか。今の時代、情報はいくらでも手に入りますが信頼は積み重ねないと手に入りません。だからこそ、誠実さや人柄を大切にしていきたいと考えています。以前は売上を伸ばすためにマーケティングの勉強などにかなりの時間を割いていたのですが、最近とくに“人”が大切だと感じるようになりました。
もちろん会社として最低限これだけはお客様に提案しましょう、という方針はあります。ただ、私たちの店舗はオンラインではなく、直接お客様と接することができる店舗ですので、店舗で働く社員の「その人らしさ」がお客様に伝わり、その結果として愛される関係をしっかりと築いていきたいです。
スポーツが教えてくれた「成長を信じる」経営哲学
ーー和田さんご自身、スポーツから学ばれた価値観をとても大切にされていると伺いました。スポーツのどのようなところに魅力を感じていますか。
和田)どれだけ頑張っても、最終的には白黒はっきりと勝ち負けで現れてしまう言い訳ができないところが好きですね。そうした厳しい面もありつつ、その努力は必ず自分のためになり、成長へと繋がっていくのもスポーツの魅力だと感じています。
これらは経営にも通ずる部分で、経営でも、自分の頑張りを怠ればいつかは報いが返ってきますし、結果が数字ではっきり現れます。しかし、結果だけではなく、そこに至るまでにどういう過程があったのかという点を踏まえておくことも会社を成長させていくうえでとても大事なことだと捉えています。
ーー中学・高校の6年間は弓道をされており、大学からはダンスに夢中になっていたそうですね。
和田)大学時代に「親の名前や会社の看板を借りずに、自分で食べていけるようになりたい」と思い、ひたすらダンスを練習していました。最終的に長野に戻ってくることになりましたが、avexのバックダンサーとして活動したり、アイドル養成事務所で先生として教えていました。このときの、“ゼロから自分でスキルを磨き、営業して仕事をもらえた経験”は、大きな自信となり、今でも自分を支えてくれています。
ーースポーツから学べることは本当にいろいろとありますね。
和田)そうですね。もう1つ学んだこととして“誠実さ”があります。柔道の元日本代表選手で日本代表監督も務めた篠原信一さんが、選手当時に誤審で負けた試合がありました。その時に、「自分が1本取っていれば誤審なんて関係なかった」と言われていたんですね。その言葉を聞いたときに、結果を他人のせいにせず、自分の足りなさを受け入れる姿勢を持つ人こそが本当に強い人なのだと思いました。
失敗を恐れずに挑戦し、そこから学んで成長する。私自身もそんな人に成長していきたいですし、そんな人を応援する会社でありたいです。
支援から共創へ、信州ブレイブウォリアーズ×JASPERSと描く「新しいパートナーの形」
ーーここからは、地元のプロバスケットボールチーム「信州ブレイブウォリアーズ」とのパートナー契約について伺います。どのようなきっかけで始まったのでしょうか。
服田)もともと会社として「地域に貢献できる取り組みを何か始めたい」と模索している中で、信州ブレイブウォリアーズのチアリーディングチーム・JASPERSに出会ったのがきっかけです。
JASPERSの次世代育成を目的とした未就学児から中学生までの子たちが入る「Jey’s」という団体があるのですが、私の知り合いの娘さんが入っており、ちょうど協賛してくれる企業を探している状況でした。そこから信州ブレイブウォリアーズとJASPERSにお話を聞かせていただき、弊社が掲げているSDGsの取り組みや女性の活躍推進、地域貢献について考えている内容が一致したことが決め手となりました。
ーーJASPERSのメンバーを1名、社員として採用されていますよね。
和田)働き方改革と合わせて「自分のやりたいこと」に取り組める職場環境をつくることに会社として挑戦しています。プロチームのチアリーディング活動をするためには練習が必要になりますので、社員として採用する形で仕事と練習をサポートしているのは、私たちらしい方法だと思っています。
ーーたしかに、採用という形でチームにも貢献するのはよいサポートの方法かもしれませんね。オフィシャルパートナーとして数年経ちますが、どのような支援をされているのでしょうか。
服田)まず「思いやり駐車場」という取り組みがあります。メインアリーナのホワイトリングのすぐ側に2台分の駐車スペースを設け、高齢者の方や小さなお子さん連れの方が安心して来場できるようにしました。これまでは「駐車場から遠くて観にいくのを諦めていた」という方が、「おばあちゃんと一緒に行けた」「孫と観戦できた」と喜んでくださったり、そういう声を聞くと本当に取り組んでよかったと思います。
ーー駐車場に目を向けるというのは、車両を扱う会社ならではの支援の形ですね。
服田)「車両の貸し出し支援」もしています。グランマックスやタント、軽トラックのNibako(ニバコ)など計4台をチームに提供していて、PR活動やチケット販売、機材の搬送に使っていただいています。Nibakoはチームカラーの黄色にラッピングして、会場の雰囲気づくりにも役立っています。
ーー会社の強みを活かした独自の支援をされているのですね。ほかにはどのようなことをされていますか。
和田)イベントの共創も大切にしています。昨シーズンはJASPERSが講師の「親子ダンスワークショップ」を開催したところ、50人の枠があっという間に埋まりました。イベント当日もとても盛り上がり、私自身も参加してとても楽しめました。勝ち負けで競うのではなく、純粋に地域のみんなで楽しめるような空間づくりを出来るのが、ダンスの魅力であると改めて実感しましたし、今後も取り組んでいきたいと思います。
ーー盛り上がると言えば、冠試合のイベントやグッズ企画を柳町さんが中心で動かれているそうですね。
柳町)JASPERSのグッズを毎年企画しています。ビックリマンシール風のステッカーや、イベント限定のノベルティなど、「どうすれば観戦に来ていただいた方が喜んでくれるか」を考えながらつくっています。以前には和田取締役に試合のハーフタイムでフリースローを打っていただいて、成功したらさらにグッズを配るという企画も行いました。ものすごく反響がよかったです。
パートナー会社がイベントを企画することは珍しいとよく言われるのですが、私自身がとても好きなことなので、自分の好き得意で貢献できるのは本当に嬉しいです。
車を売るだけではない、モビリティを通じて「人と想い」を繋いでいく
ーー最後に、長野ダイハツモータースがこれから目指す未来を教えてください。
和田)これからは、単に「車を売る会社」ではなく、「モビリティを軸にして地域課題を解決する会社」を目指したいと思っています。
行政の困りごとや地域のお困りごとを、自分たちの力で少しでも支えたい。たとえば、スポーツイベントや観戦でも「行きたいけれど行けない」人たちがいる。そういった人たちが安心して足を運べるように、交通や移動の課題を解決する取り組みを広げていきたいです。
地域課題の解決と言っても幅広いので、ほかにどのように取り組むかは難しいところですが、「長野ダイハツモータースとしてできることは何か」を常に問い続けていきたいです
ーー「モビリティを軸にして」ということに、会社としての強い想いを感じました。
北島)私としては、現在、信州ブレイブウォリアーズのように、地域の中心となるチームと一緒に活動できるのは本当に素晴らしいことだと思っています。
この先、さまざまな取り組みをきっかけに社員のモチベーションアップや働きがいに繋がったり、社外から見たときにも「長野ダイハツモータースっていいよね」と思ってもらえると嬉しいです。
「車を売っている会社」「車両整備している会社」というだけでなく「社員が楽しそうでいろんな企画やイベントをしていて盛り上がっている会社」という印象を持ってもらいたいです。将来的に「長野ダイハツモータースで働いてみたい」と子どもたちに思ってもらえるような会社であり続けられたらと思います。
ーーモビリティを軸にすることで移動が便利になるだけでなく、想いの繋がりも生まれてくるように感じました。
和田)最終的には、私たちの会社の商品を使ってくださる方も、働く社員も、信州ブレイブウォリアーズやJASPERSを応援してくれる地域の方も、みんなが信州の中で繋がっていけるような、きっかけとなる存在になれたら嬉しいです。
モビリティを通じて、人と人、想いと想いをつないでいく。
それが、長野ダイハツモータースの目指す姿かもしれないですね。
ーーありがとうございました。
