私の尊敬する人は、中村裕(ゆたか)先生です。
大分県では、毎年、大分国際車いすマラソン大会(2020年度は第40回大会)が開催されていることもあり、大分で生まれ育つと、小さい頃から障がいを持った方がスポーツに取り組む姿に触れることができます。別大国道で練習する選手の姿を見ても、あまり気に留めず通過する人がほとんどだと思います。
この日常が当たり前ではないことに気づいたのは、東京での仕事がきっかけでした。
当時、私はスポーツ振興に携わる仕事をしており、同じ課内に障がい者スポーツの担当部署がありました。隣から「大分」というワードがよく聞こえてくるし、場合によっては、大分のことについて直接、私に質問がとんでくることも…。いまとなっては、何を聞かれたか覚えていませんが、私の回答に対して、「大分の人ってそれが当たり前なんだよね」と言われたときに、心の中で、「それって当たり前じゃないの?」と。(笑)
小さい頃、習った中村裕先生(日本パラリンピックの父)や社会福祉法人太陽の家(別府市亀川)のことを改めて調べてみると、中村先生の並々ならぬ情熱に心が揺さぶられました。余談ですが、「太陽の仲間たちよ~身体障害者とある医師の挑戦~」(漫画)、ぜひ、読んでください。
故 中村博士について
http://www.taiyonoie.or.jp/about/docter
社会福祉法人太陽の家
http://www.taiyonoie.or.jp/
障がい者スポーツ先進県で生まれ育ち、中村先生の想いに触れた私は、大分に戻ってから、障がい者スポーツに関わりたいと思うようになりました。しかしながら、クラブを創設しても、なかなか入り口が見つからずの日々。そんな時、前職で知り合った加藤誠さん(アンプティサッカー日本代表選手:FC九州バイラオール所属)から、以下のような連絡がありました。
特定非営利活動法人日本アンプティサッカー協会
http://j-afa.jp/
FC九州バイラオール
http://j-afa.jp/jafa-team/fc-kyushu-bairaor
「(前略)突然、申し訳ないのですが もし可能であればジェイリースFCさんの練習している隅の方でいいのでボールを蹴らせてもらうことはできないでしょうか?」
その後、関係者に相談をし、2018年7月末から練習場所の共有がスタート。
アンプティサッカーを、自分の目で見たことがなかった選手も多く、加藤さんや萱島比呂さん(アンプティサッカー日本代表選手:FC九州バイラオール所属)が隣で練習している姿を目の当たりにすると、選手から感嘆の声が。やっぱり何事も「百聞は一見に如かず」。
障がいの有無に関わらず、同じグラウンドでサッカーを楽しんでいるみんなの姿は、私が見たかった景色の一つ。
“こんな景色が日本各地に広がればいいな”と思いながら、練習風景を眺めています。(最近は、残念ながら一緒に練習ができていません…)
ジェイリース株式会社 竹本雅美