今回取材を行ったのは、パフォーマンスチーム「Cheer Re-Man’s(チアリーマンズ)」の発起人・神原憧(以下、神原)さんです。
チアとサラリーマンを掛け合わせたチーム名であるチアリーマンズ。その名の通り、チームメンバー全員が、チアリーダーとしての姿だけではなく、本業でサラリーマンとして働く顔も持っています。
平日は働くサラリーマン、そして週末はみんなの背中を押すチアリーダー。そんなチアリーマンズが目指す未来は「日本を代表するパフォーマンスチームになること」です。
夢をあきらめてほしくない。
誰もが何者にでもなれる。
未来への目標に込められたこの2つの想いは、誰しもの人生に響く言葉となるのではないでしょうか。
社会に影響を与える集団になりたくて
ーーチアリーマンズ発足の背景を教えてください。
神原)早稲田大学の男子チアリーディングチームのOBで結成しました。発足当初は25名で、現在は36名で活動しています。
もともとは年に1回行われる男子チアリーディングの全国大会に向けて毎年発足する単年度組織としてOBチームが組織されていましたが、2023年3月の『The King of Cheerleaders Competition(男子チアリーディングの全国大会)』で優勝できたことをきっかけに、「このまま解散してしまうのはもったいない」と思うようになり、チアリーマンズを発足したんです。
発足時点から”チアリーディングで世の中に何か影響を与えたい”、”社会人でも何かに挑戦して極めることはできるんだ”、ということを活動を通して伝えたいと考えていました。
ーーチアリーマンズは普段どのような活動をされているのでしょうか。
神原)「誰もが何者にでもなれる」この想いをたくさんの人に届けるために日々活動をしています。
夢があるのに踏み出せない人は意外とたくさんいると思っていて、私たちの活動を通してそんな人たちの背中を押し、勇気を与えたいと思っています。そのために日々の練習はもちろん、ご依頼をいただいたら応援をしに行ったり、単独公演を開いたりしています。
「会社員でも夢に向かって一歩踏み出すことはできるんだよ」ということをパフォーマンスを通して伝えられたらと思っています。
ーーチアリーマンズならではの強みや特徴はどういったところにありますか?
神原)一番の特徴でいうと、スーツを身に纏っているということです。多くの方がそうであるように、サラリーマンとしての姿をわかりやすく見せることで、より私たちの想いが届けられるのではと感じています。
そしてもう1つ、チームメンバーの信念にも特徴があります。「人の本気を笑わない」そんなメンバーばかりなんです。1人1人が夢追い人なので、人が本気で何かに取り組んでいる姿や、夢を追いかける姿に共感して応援したいというメンバーで溢れています。
そんなメンバーが揃っているからこそ、仕事に練習にハードな毎日ですが、楽しんで取り組むことができていると感じています。
ーーチアリーマンズさんの動画を見たときに、メンバーのみなさんがとても楽しそうにキラキラしていたのにはそんな理由があるからなんですね。一方で、活動をするにあたって課題と感じている部分はありますか?
神原)練習量ですかね。発足から1年経ち、影響力も増えてきたからこそ、世間の期待の大きさがプレッシャーに感じるときもあります。
社会人としての姿もあるため、集まって練習できる時間はどうしても他のパフォーマンスチームと比較すると少ないんです。練習の効率化であったり、求められているものを把握して優先順位をつけて取り組むスキルを身につけて、クオリティーを上げる取り組みを早急にしなければいけないなと感じています。
可能性を広げる、パラレルキャリアという生き方
ーーサラリーマンとの両立について、率直にいかがでしょうか。
神原)やはり、大変ではありますね。メンバーの職種も多種多様で、エンジニアや営業マン、マーケターなど体力仕事とは関係のないデスクワークをしているメンバーがほとんどです。
また、私たちはただパフォーマンスをしているだけではなく、広報活動やマーケティングなどたくさんの人に想いを届けるための活動にも注力しているため、週末だけではなく平日も多く稼働しています。ですが、自分で選んだ道であること、そして楽しいという感情が一番に来るので今も続けられているのかなと思います。
ーーチアリーマンズの経験が本業で役立つ、本業での経験がチアリーマンズで役立つなどといった相互の循環はあるのでしょうか。
神原)ありますね。数値管理や分析が得意なメンバーがいたりして、お互いにスキルを共有しチアリーマンズの活動にも活かすことができています。いろいろな職種がいるからこそ化学反応も起こるので新しい気づきも多くあります。
一方で、チアリーマンズの活動で得た知識や経験、チームとしての動き方など本業で活かせるスキルもたくさん身につくので、日々本当に良い刺激を受けているなと感じています。
ーーチアリーマンズの活動を通じて、社会人としても成長しているわけなんですね。今後も本業とチアリーマンズという、二足の草鞋で活動をしていくのでしょうか。
神原)「社会人が夢を追う」この姿こそが私たちの目指すべき姿だと思っています。だからこそ、本業とチアリーマンズという二足の草鞋の活動は継続していくつもりですし、このスタイルだからこそ誰かの心を動かせると思っています。
実際に今の仕事もみんな大好きで熱中していますし、社会人として本業の成果をしっかりと出した上でチアリーマンズの活動をすることはメンバー全員の共通認識です。また、私がよくメンバーに伝えているのは「仕事を第一優先に」ということです。チアに傾倒してしまっては元も子もないですし、会社の人たちに私たちの活動を理解・応援してもらえる環境づくりを自分で整えることが重要だと考えています。
「誰もが何者にでもなれる」
ーー「誰もが何者にでもなれる」という言葉に込められた想いを聞かせてください。
神原)誰もが夢や目標、やりたいことってあると思うんです。
でも、子どものころは恥ずかしげもなく言えるのに、いつの間にか自分の夢を声を大にしていうことができなくなっていることってありませんか?仕事など、人生の根幹としてやらなければいけないことが発生して、そういった夢を大人になるにつれて心の奥底に沈めてしまう方がほとんどだと思います。
でも、夢を追うのに年齢も状況も関係ない、一歩踏み出すことで世界が変わる、こういったことをメッセージとして伝えたいという想いがあります。誰かの明日をワクワクさせて、背中を押すことができたら嬉しいです。
ーーチアリーマンズの夢や目標はありますか?
神原)目標は、日本を代表するパフォーマンスチームになることです。「誰もが何者にでもなれる」ということを証明するためには私たちが先立ってそれを証明する必要があると思っています。どういう状態になれば見てくれる皆さんの気持ちを動かせるか考えた時に、この目標が出てきました。
具体的には、アメリカズ・ゴッド・タレントで優勝することを目指しています。この目標を達成できれば間違いなく、日本を代表するパフォーマンスチームになれたと言えるんじゃないかなと考えています。
ーーぜひ世界にチアリーマンズのパフォーマンスだけでなく、みなさんの熱い想いも一緒に届けてほしいです。最後に、これからの活動を通じてさらに届けたい想いを一言お願いします!
神原)2つあります。
1つ目は、夢を持っている方の背中を押すような存在となること。
2つ目はチアの特性でもある応援の力を用いて、誰かを勇気づけたり元気を与える存在になることです。
メンバー全員、人が喜んでいる姿だったり、誰かの人生が変わる瞬間に立ち会うことはとても大好きなので、それにコミットできるこの活動のやりがいは計り知れません。活動を通して、「頑張ろうと思えた」「勇気をもらえた」という声もSNSなどを通して多く届くようになり、本当にこの活動を続けていてよかったなと感じています。
チアリーマンズのパフォーマンスを通して日々頑張っている人や気分が落ち込んでいる人に、「明日も頑張ろう」とワクワクしてもらうことができたら、これ以上のやりがいはないですね。
ーーありがとうございました!