バスケットボール

「成長の証を岡山で見せたい」トライフープ岡山 若狭功希選手が語る移籍、挑戦、そして覚悟

wakasa

「成長の証を岡山で見せたい」——そう語るのは、Bリーグ・トライフープ岡山に所属する若狭功希選手(以下、若狭)。香川・尽誠学園高校でのプレーを経てプロキャリアのスタートをトライフープ岡山で切った若狭選手は、一度は成長を求めて同じB3リーグの徳島ガンバロウズへと移籍。そして今シーズン、再びトライフープ岡山に戻ってきた若狭選手は、今やチームの中堅として、若手を引っ張り、ベテランから学びながら、岡山の優勝を目指して戦っていきます。

インタビューでは、若狭選手のこれまでの歩みや移籍を決断した背景、プロとしての信条、そして子どもたちや地域への思いまで、率直な言葉で語ってくれました。

トライフープ岡山
「地域に根ざし、家族のように戦う」トライフープ岡山・向井祐介選手が語るプロとしての歩みと覚悟バスケットボールBリーグ トライフープ岡山に所属する向井祐介選手(以下、向井)。一度は社会人としての人生を心に決めた向井選手でしたが、2018年にトライフープ岡山に加入してプロバスケットボール選手としてのキャリアをスタート。そこから2025−26シーズンまで8シーズン目を迎える今日まで、“トライフープ岡山の顔”として活躍し続けています。 普段はクールで多くを語らない向井選手が、新しいシーズンを前にこれまでのキャリアを振り返り、自身の“プロ”としての考え方など、さまざまな内容に答えていただきました。...

自ら選んだプロの道

ーー2018年、トライフープ岡山の5人制発足時から所属していた若狭選手。加入の当時のエピソードを教えてください。

若狭)チームから声をかけていただいて、自分としてはチャレンジしたいという気持ちでした。家族からは、「発足したばかりのチームで大丈夫なのか?」と心配もされましたが、兄や姉にも相談し、「若いいまのうちに、やりたいことをやりたい!」とトライフープ岡山への加入を決めました。

加入前から自分の知っている選手も多くいて馴染みやすく、香川県出身の僕からすると岡山は試合のときにも何度か来ていた場所でした。今ではもう第二の故郷と言ってもいいくらいですね。

若狭

成長を求めた徳島への移籍と、外から見えた岡山の変化

ーー2023-24シーズンから徳島ガンバロウズに移籍しました。そのときはどんなことを考えていたのですか?

若狭)トライフープ岡山でなかなか勝てず、要所でのシュートを自分が外してしまうなど悔しい場面も多かった中で、「ずっと同じチームにいても成長できないのではないか?」と思いオファーのあった徳島ガンバロウズさんに移籍しました。自分の成長を求めて移籍を決断した一方で、岡山への思いは消えず、この2年間も試合のたびに結果をチェックし、陰ながら応援し続けていました。

徳島の選手として岡山での試合のとき、トライフープ岡山のファンの方や一緒に戦っていた選手、スタッフの皆さんが本当に温かく迎えてくれて、改めて岡山が自分にとってすごく大事な場所だと実感しました。

ーー移籍をしてみて、外から見たトライフープ岡山の印象はいかがでしたか?

若狭)最年長の高畠選手を中心に、すごくまとまりのあるチームだなと見ていました。いい意味でも悪い意味でも、僕が以前所属していたときは“自由に”やらせてもらっていた印象でしたが、昨シーズンはフリースローなどの試合が止まるたびにしっかり選手同士のコミュニケーションがあるいいチームだなと思っていました。

ーー2025−26シーズンから再びトライフープ岡山に復帰することになります。

若狭)「機会があればいつでもトライフープ岡山に戻りたい」とはずっと思っていました。移籍1年目はスタッツも良かったですし、徳島で成長もできた上で戻ってくることができて嬉しいです。

若狭

プロとしての信条と、地域や子どもたちへの思い

ーープロ選手として、地域の子どもたちとの関わりもこれまで多くあったのではないかと思います。印象に残っていることはありますか?

若狭)徳島時代に、初めてバスケットボールを観に来てくれた子が「おもしろいから僕もやりたい!」と言ってバスケットを始めたという話を聞きました。もちろん岡山でもそう思ってくれた子どもたちも多くいると思うのですが、自分の好きなスポーツでそうした影響を与えられたと実感できたことはすごく嬉しかったです。

ーー若狭選手の考える、“プロ”とは?

若狭)本気でやる姿と、エンターテイメント性の両方が必要だと思っています。試合などで本気の部分も見せながら、僕は“来てくれる人を楽しませたいな”という想いも持っているので、そうした部分もときには必要なのかなと思います。

ーー若狭選手にとって、“社会貢献”という文脈で思いつくことはありますか?

若狭)2018年の西日本豪雨のときに、岡山駅に立って募金活動をしました。多くの方が募金に協力してくださり“人との助け合い”を強く感じました。そうした想いは大切にしていきたいなと思っています。

子どもたちにバスケットボールを教えることだけでなく、児童養護施設に訪問させていただいたり、これまでさまざまな経験をさせていただいています。体を動かすことなど、自分にできることがあるなら、これからも積極的に関わっていきたいと思っています。

若狭

優勝への強い決意と、中堅として果たすべき役割

ーー若い頃からその物怖じしないキャラクターでバスケットボールファンの間では知られていた若狭選手。“メンタル面での成長”もあるとおっしゃっていました。

若狭)以前トライフープ岡山にいたときには、僕はずっとチームの中でも年下の方だったので、好き勝手やらせてもらっていました。先輩に噛み付いたりすることも日常茶飯事で(笑)。

しかし、移籍した徳島ガンバロウズは若いチームで、僕の年齢では上から数えた方が早い状態でした。「年上の選手が年下を引っ張り上げてあげないといけない」という想いで、若くていい選手だけどなかなか試合に絡めない選手を食事に連れて行って、苦しい心境を聞いたり、「折れずにがんばれ」と声をかけたりは自ら積極的にやっていました。そうした若い選手の気持ちがわかるようになってきたのは自分にとっての成長かなと思いますし、今シーズンのトライフープ岡山でも中堅の選手としてそうした面でもチームに貢献できればと思っています。

ーー今シーズン、トライフープ岡山のファンの方々から「若狭変わったな!」と反応があるのが楽しみですね!今シーズンへの抱負を教えてください。

若狭)B3リーグ最後の年、絶対に優勝したいですね。簡単な道ではありませんが、戻ってきた以上、全力でチームに貢献したいと思っています。
得点面でも、これまでのアタック中心のプレーだけでなくスリーポイントなどの外からのシュートも確率が上がっているので、1試合平均2桁得点を達成したいと思っています。以前から評価をいただいているディフェンス面でも、今シーズンは外国籍選手をマークする場面が増えると思います。“相手のエースを止められる選手”としてもチームに貢献して、このチームで優勝を勝ち取りたいです。

ーーありがとうございました。

若狭
デレフォーレ岡山
「新しい女子アスリート像を示したい」|デレフォーレ岡山・角南果帆選手が語る挑戦と未来「新しい女子アスリート像を示したい」 そう語るのは、ハンドボール・デレフォーレ岡山で選手兼チームの顔として活動する角南果帆選手です...
品川リフラクトリーズ
スポーツ支援を通じて会社に『疾走感』と『躍動感』を|創業150周年を迎える品川リフラトリーズがスポーツ支援を行う理由とは2025年に創業150周年となる品川リフラクトリーズ株式会社。“耐火物”を中心に、日本の素材産業を長きにわたり支えてきた企業は、2023...
ゼノー・テック
日本有数の“金型”企業にとって、地元にファジアーノ岡山がある意味|ゼノー・テック岸本専務にインタビュー岡山県岡山市に本社を置くゼノー・テック株式会社。金型(かながた)における圧倒的な技術で国内でも大きなシェアを持つ企業で、高精度・高品質な...
JICA
おかやま山陽高校 堤監督が渡航するスポーツ隊員に贈るメッセージとは〜JICA × Sports for Social Vol.7~2023年の夏の甲子園に出場し、ベスト8まで進出したおかやま山陽高校の野球部監督である堤尚彦さん(以下、堤)。堤さんは大学卒業後に青年海外協力隊の野球隊員として、ジンバブエで野球の普及活動を行い、2020年東京オリンピックアフリカ予選ではジンバブエ代表の監督を務めたという異色の経歴を持っています。 そんな堤さんに憧れ、後を追うように、今年10月から「野球」の青年海外協力隊員として渡航した2人の教え子。川田健(以下、川田)さんはコロンビアへ、村田歩(以下、村田)さんはジンバブエへ派遣される直前にお話を伺いました。...

 

RELATED POST

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA