バスケットボール

「応援を、もっと身近に」|青森・秋田・岩手のバスケットボールクラブとコカ・コーラが生み出す、地域密着型の“新しい応援のかたち”

みちのく

「この1本が、地元チームの力になる。」

そんなシンプルで力強いメッセージのもと、みちのくコカ・コーラボトリングが展開する「アクエリアススパークリング 北東北Bリーグ応援ボトル缶」キャンペーン。売上の一部がスポーツクラブ支援金となるこの取り組みは、プロバスケットボールBリーグに参戦する岩手ビッグブルズ・青森ワッツ・秋田ノーザンハピネッツの3クラブと連携し、地域のファンとクラブをつなぐ“新しい応援の形”として2017年からスタートし、これまでたしかな広がりを見せています。
それ以前から行ってきた「応援自動販売機」の取り組みも合わせて、北東北3県におけるコカ・コーラとバスケットボールクラブの“買うことが応援になる”取り組みの浸透についてインタビューしていきます。

現場で奮闘する営業担当者、そしてクラブ関係者の言葉から見えてきたのは、スポーツと企業がともに地域に根差すことで生まれる深いつながりでした。ファンの“購入”が支援になるだけでなく、チームや企業の姿勢が地域からの共感や誇りを生み出している。そんなこのキャンペーンの特徴に迫ります。

売り場写真(岩手ビッグブルズ)

岩手ビッグブルズ|「“買う”が応援になる」地域とともに育てる、新しい支援のかたち

「この自販機で買えばブルズの応援になるんですよね?」。そんな声が事務所に届くようになったと語るのは、岩手ビッグブルズ営業本部長の鈴木崇大さん(以下、鈴木)。キャンペーンが地域に浸透している実感があるといいます。

赤い“応援カラーバスケット”を活用した協働企画も好評を博し、試合会場にそのカゴを持って応援に来るファンの姿も増えました。

岩手ビッグブルズ岩手ビッグブルズ営業本部長の鈴木崇大さん

ーー鈴木さんのこのキャンペーンに対する印象はいかがでしょうか?

鈴木)率直に言うと、「売れた分がクラブの支援金になる」というところに魅力を感じる取り組みだと感じています。また、商品を“どう売るか?”という視点でコンビニやスーパーとの取り組みも意識するようになるとともに、ファンの方々の間にも「買えば応援になる」ということが浸透していると感じています。

ーーみちのくコカ・コーラボトリングの担当である荒木田さんも、工夫や販売促進を行っていると伺いました。

荒木田)ホームゲーム会場でも販売していますが、赤い応援カラーバスケット入りの形で販売した際には、バスケットがすぐに売り切れてしまい、多くのお問い合わせもいただきました。購入いただいたバスケットを、後日グッズの持ち運びに使ってくださっているファンの姿を見かけると、このキャンペーンがしっかりと浸透していることを実感します。

ーー岩手ビッグブルズさんとともにキャンペーンを行う、という点でコカ・コーラさん側から見た効果はどのようなことがありますか?

荒木田)チームが地元に根付いているからこそ、ブルズさんとの取り組みは“お客様との距離感が近い企画に発展しやすい”と感じています。昨シーズンB2への昇格を決めた際には、コアなファンだけでなく地域全体への影響力の広がりを感じました。こうしたスポーツチームが生む“熱”をさまざまな場面で活かしていければと思いますし、私たちもその熱を生むためのご協力ができればと思っています。

鈴木)チームとして、地域密着を掲げながら地道に取り組んできたことが、そのように言っていただけるのは嬉しいですね。会場に足を運んでくださる方も増えてきているので、地元に向けた活動や企業さんとともに行う活動が噛み合ってきているなと実感しています。

ーーコカ・コーラさんとのキャンペーンについての広がりは実感されていますか?

鈴木)実は、私が担当している他のスポンサー企業にも自動販売機を導入していただいており、なかには「社内で“コカ・コーラの自販機を使おう”と決まっているんです」と話してくださる企業もあります。スポンサー企業も一体となって、『岩手ビッグブルズ×コカコーラ』を一緒に応援してくれていると感じます。

岩手ビッグブルズ

秋田ノーザンハピネッツ|「目に見える応援が、誇りになる」――地域とともに歩んだ7年の軌跡

「このキャンペーンには、苦い思い出もあるんです」。秋田ノーザンハピネッツの岩谷学さん(以下、岩谷)は、2017年の応援ボトル缶キャンペーンの初回リリースをこう振り返ります。B2降格が決まった翌日に会見が重なり、複雑な思いを抱えながらスタートしたこの企画。しかし今では、“地域に根づいた支援モデル”として、たしかな手応えを感じています。現在の営業担当の千田智春さん(以下、千田)にもお話を伺いました。

秋田ノーザンハピネッツ

ーー秋田ノーザンハピネッツさんとして、応援ボトル缶のキャンペーンについてどう思われていますか?

千田)シーズン終了後には、売上に応じた寄付金を贈呈していただく機会があり、その場で「これだけ多くの方に応援されているのだな」と私たち自身も実感できますし、非常に意義深い企画だと感じています。
また、コカ・コーラ社製品にクラブのロゴが入り、一般販売されているという事実そのものも、とても誇らしいことです。「一緒に取り組んでいる」ということが一目で伝わる、素晴らしい仕組みだと思います。

ーーたしかに、クラブのロゴ入り商品がスーパーで売られていること自体がクラブにとっても、ファンにとっても嬉しいことですよね。2017年のスタートからこの企画を見ている岩谷さんにとっては現状をどのように見ていますか?

岩谷)初回リリース時の会見は、B2降格の直後ということもあり、悔しさを抱えながらも前を向く社長の姿が強く印象に残っています。あの光景は一生忘れられません。

その以前から、みちのくコカ・コーラボトリングさんとは、秋田ノーザンハピネッツのチームカラーであるピンク色にラッピングされた“応援自動販売機”の活動を秋田県内で展開し、のべ設置数は約300台にもなります。関東圏のJリーグのクラブとの取り組みを見て、「うちもこんなことしたい」と言ったことが1つのきっかけになっていますが、全国的に見てもうまくいっている事例として捉えていただいていると伺っています。

秋田ノーザンハピネッツ

ーー応援自動販売機や応援ボトル缶の企画がここまで長く続いている理由はどのようなところにあると思いますか?

千田)この北東北Bリーグ応援ボトル缶は、私たちが販売するだけでなく大きなスーパーさんやコンビニさんなどの小売店とともにキャンペーンを行うことができています。SNS上でも、「今年も始まった!」「〇〇に売っているよ!」という情報交換も行われるようになっており、この活動のファンの方々への浸透を感じます。
バスケットボール教室でアクエリアススパークリングを景品として参加者にお渡ししたときにも、このボトル、もう1本もらえませんか?」と声をかけてくれる子どももいて、うれしい気持ちになる瞬間がこの活動を通じて増えています。

1本でも多くの方に手に取っていただきたいという想いは変わりません。「飲むことが応援になる」というメッセージを、さらに多くの方に届けていきたいです。そして、シーズン終盤にファンの皆さんにもよいご報告ができるような企画にしていきたいですね。

岩谷)この東北という地域をベースにしている私たち、そしてみちのくコカ・コーラボトリングさんとともに、“ここで生きていく”と決めた私たちだからこそできる、地域と社会をつなぐような取り組みを、今後もさらに広げていけたら嬉しいです。

アクエリアス

青森ワッツ|「炭酸好きの県民性を味方に」――自販機展開で広げた応援の輪

「率直に嬉しかったですね」。青森ワッツの鹿内龍治さん(以下、鹿内)は、北東北Bリーグ応援ボトル缶の売上がクラブ支援金になる仕組みを聞いた当初の感想をこう語ります。クラブにとっては貴重な財源であり、ファンにとっても“気軽に支援できる形”として受け入れられていきました。

ーー鹿内さんにとって、この東北応援スパークリング缶の取り組みの印象はいかがでしょうか?

鹿内)売上の一部がクラブに還元されるという仕組みは、クラブにとってありがたいのはもちろんですが、「応援したい」と思ってくれているファンにとっても、わかりやすく参加しやすい支援の形だと感じています。

ーー青森ワッツさんは、3つのクラブの中でも一番多い寄付金になっています。その点、みちのくコカ・コーラボトリングの担当である岡田さんはどのように思われていますか?

岡田)青森県では、この北東北Bリーグ応援ボトル缶をかなり多くの自動販売機で展開しました。というのも、青森県は全国的に見ても“炭酸飲料の消費量が多い”地域なんです。とくに津軽地区ではかなりの消費量になっており、地域の方々が日常的に好むものとして、アクエリアススパークリングを自然に多くの場所へ導入できたことが、今回の好結果につながったのだと思います。

ベルテックス

ーー応援しているから買う、という動きだけではなく、買ってみて青森ワッツに、あるいはこの応援の取り組みに関心を持つような広がりにもつながっていそうですね。

鹿内)こうしたクラブが青森にあることを、知ってもらえるきっかけになるのも、とても嬉しいです。それだけでなく、北東北3県の3つのクラブのことを知ってもらうきっかけにもなっていて、これまで、秋田ノーザンハピネッツさんや岩手ビッグブルズさんの背中を追い、一緒に盛り上げようと取り組んできた身として、それもまた嬉しいことです。

ーーファンの間でも浸透してきているからこその結果だと思うのですが、印象に残っていることはありますか?

鹿内)私自身もホームゲーム会場で飲み物を手売りさせていただくことがあるのですが、この取り組みを知った上であえてアクエリアススパークリングを選んでいただき、購入されるときに「応援してるよ」と一言添えてくださるファンの言葉には、毎回胸を打たれます。
取り組みが定着しているからこそ、あえて選んで買ってくれているファンの方が多くいらっしゃいますね。

ーーこれから先の取り組みで期待することを教えてください!

鹿内)この取り組みは各チームへの還元につながっていますが、今後は、チーム同士がさらに連携して何か一緒にできれば、よりおもしろくなるのではと感じています。もともとのチームとしての繋がりだけでなく、こうしたキャンペーンでも“一体感”を出して、北東北全体を、みちのくコカ・コーラボトリングさんとともに盛り上げていけたらと思います。

みちのく

応援の輪は、これからも広がっていく

北東北という地域に根ざしたバスケットボールクラブを、同じ地域に根ざした企業が支える。そのつながりが、ファンの共感を呼び、北東北に新しい応援の文化を育ててきました。“買うことが応援になる”という仕組みが、地域の日常に息づく光景に変わりつつある今。この取り組みが、もっと多くの人の手に届き、北東北のバスケットボールをさらに盛り上げていくことが期待されます。

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