編集担当からのメッセージ
複雑に絡み合った環境問題を理解するために、前回までの復習をしながら進めていきましょう。
私達が普段口にしている食べ物に入っていたり、洗剤や口紅にも使われているパーム油。その原産地のボルネオでは、パーム油の原料となるアブラヤシの畑を作るために森が切り開かれていました。
住む場所を失った動物と、自然を守る「緑の回廊プロジェクト」の資金集めのために、「ボルネオ保全トラスト」が設立されます。
ボルネオ保全トラストは、マレーシア・サバ州から認められた環境団体で、農園主から土地を買い戻し、元の森に戻して動物の生息域となる「緑の回廊」を作ることを目指します。
今回は、ボルネオ保全トラストによる環境保護活動に続き、パーム油市場の問題に切り込んでいくサラヤの様子を紹介します。(担当 山本)
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パーム油市場の新しい仕組みづくりが必要だ
「ボルネオ保全トラスト」が創設されたことで、サラヤだけでなくパーム油の恩恵を受ける消費者や企業がパーム油の問題に関わることができる場が誕生しました。
ボルネオの動物と森を守るため、サラヤもヤシノミ洗剤の売上の1%をボルネオ保全トラストに寄付をしています。
ボルネオの現地で野生動物たちと自然を守る活動が始まりました。
しかし、必要なことは現地で動物や環境を守るだけではなく、パーム油の生産方法を変革することでした。
世界中で様々な用途で使用され、需要のあるパーム油。ボルネオの人々の生活を支えているパーム油は、ボルネオの経済や政治にも関わる大きな関心事です。
パーム油の抱えている問題を解決するためには、経済や政治に関わり、パーム油を持続可能なものに変革する必要がありました。
持続可能なパーム油を生産し、流通させよう。RSPOの創設
サラヤがボルネオ保全トラストを創設した前年、WWFとユニリーバが「パーム油の国際ルールを作ろう」という会議を立ち上げていました。WWFは世界約100カ国で活動をするパンダのマークでも有名な、地球上の多様性を守るために自然環境や野生生物を保護する環境保全団体。ユニリーバはDoveやLUXなどの洗剤を始め、生活用品を販売するグローバル企業です。
世界的な環境保全団体と企業がタッグを組み、パーム油の違法伐採や違法労働を許容しない、健全な方法で生産、流通する仕組みづくりをする団体をはじめました。
それが「RSPO」(Roundtable on Sustainable Palm Oil、持続可能なパーム油のための円卓会議)という非営利団体です。
サラヤは日本企業として初めて参加し、ボルネオの森での保護活動だけでなく、政治や経済の面からもパーム油の問題に向き合っていくことになりました。
次回、持続可能なパーム油のために参画したRSPOでのお話を紹介します。
サラヤ株式会社:https://www.saraya.com/index.html
ヤシノミ洗剤:https://www.yashinomi.jp/index.html
ボルネオ環境保全活動:https://www.yashinomi.jp/environment/
緑の回廊プロジェクト:http://www.bctj.jp/projects/green-corridor/
認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン:http://www.bctj.jp
ユニリーバ:https://www.unilever.co.jp/sustainable-living/
RSPO:https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3520.html
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前回までのお話