ソーシャルデザインとは、「社会の課題を創造的にデザインし解決すること」をいいます。 「デザイン」というと一般的には見栄えを重視してしまうように思いますが、「ソーシャルデザイン」は社会のことや考え一人ひとりのことを考えつくられる社会全体のデザインです。今回は、「ソーシャルデザイン」についてわかりやすくご紹介します。
ソーシャルデザインとは
ソーシャルデザインとは、社会の課題を創造的にデザインし解決することをいいます。主に、人々が暮らす街についての設計などを指し、その設計のためには、社会のための制度やインフラなどの要素も含まれます。
アメリカのソーシャルエンジニア、ジャック・フレスコは「社会システムの未来は科学的な手法でデザインする必要がある。ソーシャルデザインは、人間を幸せにする力につながるプロセスである」と述べています。
「デザイン」というと一般的には見栄えや外観を重視してしまうように思います。しかし、「ソーシャルデザイン」とは、社会のことや考え一人一人のことを考えつくられる社会全体のデザインであることが必要です。その範囲は、教育や福祉、産業や各種災害などに関する課題を解決することにも及び、より暮らしやすい社会を作り上げることを期待しています。
ソーシャルデザインを活用した例
私たちがソーシャルデザインに触れる機会で、身近なものでは公園や町おこしなどが挙げられます。例えば、誰でも使いやすい公園を街の中心に作ったり、古民家を改装してコミュニティスペースを作ったりすることもソーシャルデザインの1つです。
2017年グッドデザイン賞を受賞した群馬県にある山名八幡宮の事例をご紹介します。
1175年〜1177年の間に勧請されたといわれる山名八幡宮では、次の100年に向けてリニューアルを行いました。「安産子育ての宮」として親しまれていた八幡宮をソーシャルデザインを通じて、地域との関わりを持てるような場所へ生まれ変わらせました。
子育ての悩みを緩和するための「親子カフェ」や、食育を促す「天然酵母のパン屋」、自由にみんなで作る公園などを境内の敷地内に設けることで、地域の社会課題に取り組んでいます。
(参考:https://www.g-mark.org/award/describe/46055)
これからのソーシャルデザイン
これからの社会全体の課題へ、ソーシャルデザインを用いて解決していくことも必要になっています。
山名八幡宮のように、社会課題解決のための可能性を持った場所や地域は日本中にたくさんあると思います。また、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、社会のあり方も変わってきましたので、これからのより良い未来のためにソーシャルデザインが広まっていくことでしょう。