箱根駅伝は、正式名称は「東京箱根間往復大学駅伝競走」で、年に一度1月2日と3日に開催されます。
今年もその夢舞台に進むチームが決まる季節。その大舞台に進むことができる10校は、2025年10月18日に予選会で決定します。
この記事では、その歴史だけでなく、予選会の楽しみ方を紐解いていきます。
(編集部追記:記事下部には、第102回予選会の結果を掲載しています。)
箱根駅伝予選会 いつから?
箱根駅伝では第23回(1947年)から予選会が実施されています。
その時は、第1回関東大学高専10マイルチームレースとして、箱根駅伝出場希望校が 1チーム8名編成で出場。本大会には希望校の全校が出場することができました。その後、予選会のコース・距離及び選考方法は、次第に変遷を重ね、第81回からは陸上自衛隊立川駐屯地⇒立川市街地⇒国営昭和記念公園のコースで開催されています。
どうしたら予選会に出場できるの?
予選会の参加資格は下記のようになっています。
- 2025年度日本学生陸上競技連合男子登録者で、本予選会並びに箱根駅伝本大会出場回数が通算4回未満であること。
- 1校1チームまで
- エントリーは10名以上14名以下
- 出場できる人数は10名以上12名以下
- エントリー者全員が10000mを34分以内またはハーフマラソン73分以内の公認記録を持っている
- 公認記録とは、公認記録会で正式に認められた記録
第100回の記念大会となった2023年度は、参加資格を関東の大学に制限せず「日本学生陸上競技連合男子登録者」として全国の大学に門戸が開いていました。前回の101回大会、今回の102回大会では再び参加資格を関東の大学に限ることなりましたが、激戦の様相は変わらないでしょう。
今回の参加は、42チーム。昨年の予選会からは1チームが減少しています。全国対象となった一昨年は過去最多の57チームが参加していました。
参加校の中で、総合優勝を経験したことがあるのは、11チーム(順天堂大学、日本体育大学、神奈川大学、専修大学、山梨学院大学、大東文化大学、日本大学、明治大学、東海大学、筑波大学(旧:東京高等師範)、亜細亜大学)。また、全日本大学駅伝の切符を手にしている大学もいます(立教大学)。どのチームも本大会に向けて完成度が高くなっており、激戦必至です。昨年は予選会からエントリーした中央大学が本大会で6位と躍進し、シード権を獲得しました。レースを制し、切符を掴むのは果たしてどのチームでしょうか。
コースの見どころ
ハーフマラソン(21.0975km)の距離で行われる予選会のコースは、陸上自衛隊立川駐屯地をスタートし、立川市街地をめぐり、国営昭和記念公園でゴールします。
めったに見られないスタートの光景
どの駅伝でも見られないのは、光景がまさにスタート整列。
駐屯地のスタート地点には、エントリーチームが一列にならぶ緊張と壮観さが入り混じる光景が広がります。
スタート直後に、駐屯地を周回?!
スタートしても、すぐに立川市街地にはでず、駐屯地を2周します。
大きく開けた駐屯地を約700人のランナーが駆け抜けるのは圧巻です。
5km地点の各校の総合タイムと順位は注目!
大声援で迎えられる立川駅前
各チームの大声援が響き渡ります。
箱根駅伝本戦とも変わらないほどの数の応援者がメイン通りの立川駅前を埋め尽くすこの場所から、本格的にレースが動き出します。
勝負所は、国営昭和記念公園終盤のアップダウン
ここが差のつくポイント!
公園内は、細かいアップダウンが多数。特に17km過ぎの上り坂が勝負所。
この勝負所で1人でも粘れるか、遅れてしまうかが分岐点となります。
ピックアップポイント!
予選会の距離がハーフマラソン(21.0975km)になってからの歴代最速タイム
- チーム総合: 順天堂大学10時間23分34秒(2020年)
- 個人総合: ラジニ・レメティキ 1時間00分13秒(2020年)
- 塩尻 和也 1時間01分22秒(2018年)※日本人最高
日本人最高記録を保有しているのは、リオ五輪3,000mSC日本代表でもある塩尻和也選手(現・富士通陸上競技部)
予選通過との最小タイム差
2006年では、タイム順で7位だった拓殖大は当時、採用されていた関東インカレポイントで、城西大、大東大、国士舘大に逆転され、次点の10位に急落。9位の国士舘大との差は1秒。1人平均わずか0.1秒の激戦でした。
<注目チーム>
東海大学
昨年は予選会突破確実と見られていたが、ゴールまであと10メートルというところでロホマン・シュモンが棄権。暑さの影響もあった悲劇だったが、そのシュモンは今回の予選会でもエントリー。昨年のリベンジを果たしに並々ならぬ気持ちで臨むと思われます。28分台の持ちタイムの選手も多く、実力は間違いない。確実に予選突破できるか。
立教大学
5年連続の本戦出場を目指す古豪。予選会を1位で通過した勢いそのままに本大会に挑んだが、シード権まであと3分23秒の13位。全日本大学駅伝の予選会も通過し、実力があることは今年も証明済み。
“本大会でのシード権獲得”に向けて、予選会はしっかりと実力を見せつけて通過したいところ。
東京農業大学
昨年、まさかの1秒差で予選通過を逃した東京農業大学。その雪辱を晴らす場がついに訪れます。第100回大会で1年生ながら7区を走った前田和摩は、日本人学生歴代最高の10000m27分21秒52の自己ベストを持つまでに成長。前回予選会で好走したメンバーも多く残る東京農業大学は、エースの力と総合力で予選回突破を手にすることができるか。
展開はどうなる!
この日の立川市周辺の天気予報は、曇りのち晴れ。ここ数年の気温上昇も考慮し、スタート時間を1時間前倒しになりましたが、後半にかけて暑さとの戦いにもなることが予想されます。
スタート時間が変わり、天候のコンディショニングが変わることで各校の戦略はどのように変わるのか?各校の戦略が試される予選会。スタート前から、戦いは始まっています。
本戦に出場するためには…
各チーム上位10人の合計タイムがチーム記録となり、合計タイムが速い1~10位のチームが、来年1月の箱根駅伝本戦に出場することになります。前回の本大会上位10チームは、シード校としてすでに本大会出場が決まっています。
このレベルの高いレースを制し、狭き門を通過できるのは、どのチームか。
101回大会から、関東学生連合チームの編成が復活。個人でも本戦の出走権を得られるチャンスもあるので、各チームのエースの成績にも要注目です。
すべてのスタートラインに立つ学生へ
今年も始まる箱根路につながる物語。これは終わりではなく、始まり。
すべての学生ランナーが紡ぐ物語の始まりです。
学校のために、チームのために、一番は自分のための最高の1時間と少しにしてほしいと思う。
10月18日 午前8時35分に運命の号砲が立川の空に響きます。
(前回記録)第101回箱根駅伝予選会 結果
2024年10月19日に行われた第101回箱根駅伝予選会の結果は以下の通りです。(予選通過大学のみ記載)
- 第1位 立教大学(関東)10時間52分36秒
- 第2位 専修大学(関東)10時間53分39秒
- 第3位 山梨学院大学(関東)10時間54分06秒
- 第4位 日本体育大学(関東)10時間55分58秒
- 第5位 中央学院大学(関東)10時間56分01秒
- 第6位 中央大学(関東)10時間56分03秒
- 第7位 日本大学(関東)10時間56分53秒
- 第8位 東京国際大学(関東)10時間58分53秒
- 第9位 神奈川大学(関東)10時間59分12秒
- 第10位 順天堂大学(関東)11時間01分25秒
- 第11位 東京農業大学(関東)11時間01分26秒
- 第12位 明治大学(関東)11時間02分24秒
- 第13位 国士舘大学(関東)11時間02分40秒
詳しい結果は、箱根駅伝公式サイトに掲載されています。
