スポーツには社会を変える力があり、それこそがスポーツの価値であることに気がついた|山﨑 蓮

皆さん、こんにちは。
いつも「Sports for Social」をご覧いただきありがとうございます。年末ということもあり、メンバーによる”わたしたちの想い”を連投しております。
2020年最終回。私が今想っていることをここに記しておきます。

価値を見えるようにした

私はスポーツ業界に足を踏み入れる前は、インターネット広告の業界で仕事をしていました。

インターネットは世の中のあらゆるものを可視化しました。その1つが広告です。
新聞、看板、ラジオ、テレビ。これら従来からある広告媒体は、「何人が見たのか・何人が反応したのか・何人が購入したのか」などの数値を可視化することはできませんでした。
しかし、インターネットが普及し、インターネット広告が誕生してからは広告効果は数値でわかるものへと変わりました。
インターネット広告は、何人が見たのか(=インプレッション数)、何人が反応したのか(=クリック数)、何人が購入したのか(=コンバージョン数)などの数値を見ることができます。
私はインターネット広告業界でキャリアをスタートさせたこともあり、こういった数値をもとに価値や費用対価を出すという考え方が良くも悪くも染みついています。

3年前にJリーグクラブの仕事に関わることになったのですが、最初はびっくりの連続でした。数多ある施策やメニューの多くが可視化(価値化)されていないことにです。真っ先に着手したのはデジタル媒体のマネタイズです。SNSのレポートをみると、クラブアカウントの価値を示すエンゲージメント率は、他業界の同規模アカウントと比べて10倍ほど違うことが分かりました。
これは紛れもない価値です。この価値を次の広告媒体にするのが自然の流れでした。早速、大分トリニータのスポンサーである、VIGO MEDICAL株式会社様や新電力おおいた株式会社様にご提案し、実践したところ一年以内に目に見える結果が出ました。
まさにこれが広告ビジネスであり、スポーツクラブがチャレンジすべき1つであると思っています。

と、ここまでは社会貢献とは少し離れた話に聞こえるかもしれませんが、実はこれこそが私がスポーツ×社会貢献・SDGsを本格的に事業にしようと思ったきっかけです。

真の価値は広告効果ではない

「Jリーグクラブはエンゲージメント率が高い」と触れましたが、この”エンゲージメント”とは様々な使い方があります。スポーツ業界に置き換えると「共感・応援・愛着心」という言葉がしっくりきています。
エンゲージメント率が高いということは、クラブに共感します!クラブを応援します!クラブを愛しています!という、反応が多いということです。

改めてこの事を考えた時に、「あ〜これがスポーツが生み出す本当の価値だ」と思いました。
SNS等のデジタル媒体などは1つのソリューションに過ぎないのです。
スポーツの価値はエンゲージメントにある。共感にある、応援にある、愛にあると。
つまり、スポーツクラブやアスリートとは何か?
「認知度が高く、注目され、発信力があり、影響力があり、応援される”存在”」という答えが出ました。
では、そんな”存在”であるスポーツがするべき事は何か?

世の中のハブになり、より良い社会をつくること。スポーツを通して、社会貢献活動やSDGsに取り組む個人・団体・企業を応援すること。
です。これが、このSports for Socialに込められた想いであり、スポーツクラブの使命であると考えています。

こだわりは、想いからはじめること

SDGs(Sustainable Development Goals)は言葉の通り”持続可能”でなくてはいけません。持続可能の1つに収益を出すことが挙げられます。ここまでの話でお分かりいただけると思いますが、社会貢献活動やSDGsとスポーツは相性が良く、事業(あまりこの言葉を使いたくありませんが、PRという役割)としての可能性があります。ボランティアではなく、関わる全ての企業にとって利益となるモデルを構築することが重要です。

一方で、想いをないがしろにした事業は絶対にしたくない、して欲しくありません。

SDGsや社会貢献というワードがHOTになると、多くのスポーツ関係者が「SDGsは事業になる!スポーツチームの使命は、社会をより良くすることだ!私たちは地域のハブとしての役割を整理し、仕組みを整え人材を配置し、事業採算の合う計画をつくろう!」という発想になりがちですが、この一歩は正しいようで正しくないと思います。

今でこそいくつかの企業様とタイアップをしているSports for Socialですが、メディアを立ち上た当初は、「生ゴミを堆肥に変えるコンポストに挑戦する主婦の日記」「発達障がいの子どもを育てる母親の日記」など個人の社会貢献活動・SDGsを応援することからはじめました。この記事を読んでくれた人がゴミ問題に気が付きコンポストをはじめてみる、同じように発達障がいの子どもを育てる親の心の安らぎになる、そうなれば良いなと思ってやっていました。そして、これらの活動は語弊を恐れずに言えば、あまり認知されておらず興味を抱いてもらえないテーマです。だからこそ、スポーツを通してこの事を伝えていく必要がありました。振り返れば、売上より形より想いが先行していました。

私自身もすべての社会貢献活動やSDGsに共感できるわけではありません。
でもそれは普通であり、すべてに共感できていれば、今のSDGsは採択されていません。
それもあり、仮にタイアップやスポンサーなどで多額のお金をいただけることがあっても、その企業や担当者に想いがなければ絶対にお受けしないと決めています。これが自分の信念であり、SDGsを事業にする上で欠かせないポイントだと思っています。

COVID-19

COVID-19により、世界は大変なことになりました。多くの人に、悲しみや苦労が降りかかっています。
その一方で、これを機に企業や人が、「事業とは・人とは」とより深く考えるようになったと感じています。とあるアンケートでは、多くの企業経営者が「今後、社会貢献活動やSDGsに力を入れたい」と回答していたり、SDGs・社会貢献活動などの検索数が増えていたりと。これが命を脅かされる事による反応なのか、孤独によるものなのか理由は分かりませんが、間違いなく時流は変わっています。
スポーツ業界においても大きなインパクトがあり、変化が求められました。COVID-19により、サッカーの試合ができないのですから当然です。
サッカークラブは、サッカーをする以外でどのような価値を見出せるのか?きっと多くのクラブが考えたことだと思います。これは私なんかが語るよりも、長年クラブで働かれてる方にお話を聞くのが良さそうですね。

いずれにしても、色々な変化が求めらていることは間違いありません。
この変化に自分自身が対応していくのは当然ですが、少し視野を広げて自分以外の人や環境に目を向けていく。Sports for Socialを通してそんな人を増やしていきたいと思います。
そして、在籍しているモンテディオ山形でも来シーズン新しい取り組みがはじまります。
とてもワクワクしています。

社会はもっと良くなる!

山﨑 蓮

関連記事一覧